COVID-19が幼い子どもの感情・認知発達に与えた影響:統合的レビュー
Impact of COVID-19 on the Emotional and Cognitive Processes of Young Children: An Integrative Review
どんな研究?
01 — Summaryコロナ禍のロックダウンや社会的孤立が、幼稚園年齢の子どもの感情・認知発達に与えた影響を統合的にレビューした研究です。日常ルーティンの乱れや仲間との交流の減少が、感情調節・社会的スキル・言語発達・学習準備性に悪影響を及ぼした可能性が示されています。家庭環境や教育的サポートの充実が、こうした悪影響を和らげる重要な要因であったと報告しています。
要点
02 — Key points- 01長期間の外出制限と仲間との交流減少が、幼児の感情調節・注意・言語発達・学習準備性に負の影響を示す可能性がある
- 02安定した環境と一貫した感情的サポートへの依存度が高い幼児は特に影響を受けやすかった
- 03家族のダイナミクスと教育的サポートの質が、悪影響を緩衝する役割を果たした
統合的レビューであり、一次研究の質や方法論のばらつきが結論の確実性に影響する。コロナ禍という特殊な状況下の知見であり、他の状況への一般化には注意が必要。観察・記述的研究が中心で因果関係の確定は難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 統合的レビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Journal Health Education and Welfare
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.35429/jhew.2026.10.17.2.1.8
- 出典
- Crossref
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related就学前のメディア使用と発達の縦断的関連:母親の教育水準による調整効果
ドイツのコホート研究で、3歳時のテレビ視聴時間・電子メディア使用と、1年後(4歳)の認知・言語・運動・社会情緒発達との関連を調べました。1日1時間超のテレビ視聴は、認知力と言語力の低さと関連していました。とくに母親の教育水準が低〜中程度の場合に言語力への悪影響が顕著で、高学歴の場合は有意な関連が見られませんでした。現代的な電子メディア(タブレット等)は発達との有意な関連は示されませんでした。
COVID-19パンデミックが子どもの発達に与えた影響:パンデミック前・中・後の比較
COVID-19パンデミック中に18〜24か月だった子どもたちを36〜42か月まで追跡した研究です。パンデミック中に見られた言語発達への影響は36〜42か月時点では解消していましたが、新たに運動発達の発達指数の低下が確認されました。この運動への影響がパンデミックによるものか他の要因かは、さらなる検証が必要とされています。
コロナ前・禍中・禍後における子どもの言語・社会情緒発達:オランダYOUthコホートより
生後5か月〜4歳の子ども2,166人を対象に、コロナ前(2015〜2020年)・禍中(2020〜2022年)・禍後(2022〜2023年)に分けて言語・社会情緒発達を比べた大規模コホート研究(オランダ)です。禍中の子どもは語彙や社会情緒の発達スコアが低い傾向がみられましたが、禍後には一部の指標で回復がみられました。コロナ禍の社会的制限が幼児期の発達に影響を及ぼした可能性を示しています。