寝かせ方と寝具が乳児突然死症候群(SIDS)にどう関わるか:地域住民を対象とした症例対照研究
Interaction between bedding and sleeping position in the sudden infant death syndrome: a population based case-control study.
どんな研究?
01 — Summary突然亡くなった乳児と、年齢などをそろえた対照の乳児を比べ、寝かせ方や寝具の量がSIDSのリスクとどう関わるかを調べた研究です。うつぶせで寝かされていた赤ちゃんはSIDSが大きく多く、また厚着・寝具のかけ過ぎや夜通しの暖房による「あたため過ぎ」も別々にリスクと関連していました。生後70日を過ぎた赤ちゃんで、この関連はとくに強くみられました。
要点
02 — Key points- 01突然死した乳児72人と対照144人を比べた症例対照研究。
- 02うつぶせ寝の赤ちゃんはSIDSのリスクが大きく高かった。
- 03厚い寝具・夜通しの暖房による「あたため過ぎ」も独立してリスクと関連した。
- 04生後70日を超えた赤ちゃんで、うつぶせ寝と厚着が重なるとリスクが特に高かった。
- 05寝かせ方とあたため方を親に伝えることがSIDSを減らす助けになりうる。
亡くなった後にさかのぼって状況を聞き取る観察研究のため、関連がみられても原因と結果の関係を確かめたものではありません。対象数も限られ、聞き取りの記憶のかたよりなどの影響も受けます。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 症例対照研究(観察研究)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- BMJ (Clinical research ed.)
- 発表年
- 1990
- DOI
- 10.1136/bmj.301.6743.85
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related赤ちゃんの寝る向きと、乳児突然死症候群(SIDS)(システマティックレビュー)
赤ちゃんを「仰向け」で寝かせることが、乳児突然死症候群(SIDS)などのリスクを下げるかを、54件の研究(約47万人)をまとめて調べた研究です。うつぶせや横向きに比べて、仰向けで寝かせるとSIDSのリスクがおよそ半分に下がる関連がみられました(オッズ比0.51)。世界の多くのガイドラインが勧める「仰向け寝(バック・トゥ・スリープ)」を支持する結果です。
睡眠中の赤ちゃんの環境とSIDSのリスク:1993〜95年の症例対照研究
仰向け寝をすすめる全国的な啓発のあとに、寝かせ方や寝る環境がSIDSのリスクとどう関わるかを、突然死した乳児195人と対照780人で比べた研究です。うつぶせ寝だけでなく横向き寝も仰向け寝よりリスクが高く、頭まで布団がかかっていた状態もリスクと関連していました。おしゃぶりの使用は見かけ上リスクを下げる方向と関連しました。
乳児の予期せぬ突然死のうち、原因不明のもの(SIDS)では、原因が説明できた死亡より添い寝が多かった
スウェーデンで2005〜2011年に予期せず突然亡くなった乳児261人を、解剖や記録から「原因不明(SIDS)」と「原因が説明できたもの」に分けて比べた研究です。原因不明(SIDS)のグループでは、大人と同じ寝床で寝る添い寝の割合が、原因が説明できたグループよりはっきり高くなっていました。うつぶせ寝も同様に多くみられました。なお記録自体が不十分な例も多く、慎重に読む必要があります。