着るブランケット・おくるみ用ラップ・おくるみに関連した乳児の死亡と事故
Infant deaths and injuries associated with wearable blankets, swaddle wraps, and swaddling.
どんな研究?
01 — Summaryアメリカの消費者製品安全委員会に2004〜2012年に報告された、おくるみや着るブランケットに関わる事故を振り返って調べた研究です。普通の毛布でのおくるみに関連した報告では、12件すべてが死亡で、その多くがうつぶせ寝による窒息でした。やわらかい寝具など他の危険な要因が重なっている場合がほとんどでした。研究者は、おくるみをした赤ちゃんが亡くなる例はまれだとしつつ、仰向けに寝かせること、寝返りの兆しが見えたらおくるみをやめること、やわらかい寝具を取り除くことでリスクを下げられると述べています。
要点
02 — Key points- 01おくるみに関連した死亡の多くは、うつぶせの姿勢による窒息だった
- 02やわらかい寝具など、他の危険な要因が重なっている例がほとんどだった
- 03仰向けで寝かせ、寝返りの兆しが見えたらおくるみをやめることでリスクを下げられる
- 04おくるみした赤ちゃんが亡くなる例自体はまれだが、安全な寝かせ方が前提となる
事故報告を後から集めて振り返った調査で、報告されていない事例は含まれず、おくるみが死亡をどれだけ増やすかという割合は計算できません。多くの事例でうつぶせ寝ややわらかい寝具など他の要因が重なっており、おくるみだけの影響を切り分けることはできない点に注意が必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 事故報告の後ろ向き調査(記述研究)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- The Journal of pediatrics
- 発表年
- 2014
- DOI
- 10.1016/j.jpeds.2013.12.045
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedおくるみが赤ちゃんの睡眠と覚醒に与える影響:システマティックレビューと記述的統合
1歳までの健康な赤ちゃんを対象に、おくるみ(スワドリング)が睡眠に与える影響を調べた研究をまとめたレビューです。条件を満たした6件の研究をまとめたところ、おくるみをすると静かな眠りの時間が長くなり、まだおくるみに慣れていない赤ちゃんでは眠りの状態が変わる回数(浅い眠りと深い眠りの行き来)が減る傾向がみられました。一方で、目が覚めにくくなることは、これまでおくるみをしていなかった赤ちゃんでは乳幼児突然死のリスクを高めうると注意を促しています。
赤ちゃんの寝る向きと、乳児突然死症候群(SIDS)(システマティックレビュー)
赤ちゃんを「仰向け」で寝かせることが、乳児突然死症候群(SIDS)などのリスクを下げるかを、54件の研究(約47万人)をまとめて調べた研究です。うつぶせや横向きに比べて、仰向けで寝かせるとSIDSのリスクがおよそ半分に下がる関連がみられました(オッズ比0.51)。世界の多くのガイドラインが勧める「仰向け寝(バック・トゥ・スリープ)」を支持する結果です。
モンゴルの伝統的なおくるみと発育性股関節形成不全:ランダム化比較試験
足をまっすぐ伸ばして固くくるむモンゴルの伝統的なおくるみが、股関節の発育に問題(発育性股関節形成不全, DDH)を起こすかを調べたランダム化比較試験です。生まれつき股関節が未熟な赤ちゃん80人を、伝統的なおくるみをする群としない群に分けて1か月追跡しました。その結果、おくるみをした群では股関節の異常が大幅に多く(40%対7.5%)、おくるみをしない群には股関節形成不全が1件もなかったのに対し、おくるみをした群では8件みられました。長時間・長期間おくるみをするほど異常が増える関係もみられました。