コホート研究

配偶者間暴力、母親の敏感な関わり、そして子どもの実行機能

Intimate partner violence, maternal sensitive parenting behaviors, and children's executive functioning.

どんな研究?

01 — Summary

子どもが2〜3歳のときに配偶者間暴力(IPV)にさらされると、5歳時の実行機能(考える・制御する力)が低い傾向があることを154組の親子を追跡した研究が示しました。この関連は、暴力にさらされた母親が子どもへの敏感な関わりが減少することを介して生じる傾向がみられました。家庭内暴力への対応が、子どもの認知発達にも影響する可能性があります。

要点

02 — Key points
  • 01乳幼児期の家庭内暴力(IPV)への暴露は就学時の実行機能の低下と関連した
  • 02母親の敏感な関わりの低下がIPVと子どもの実行機能の関係を媒介していた
  • 03家庭内暴力への対応時に子どもの認知発達も視野に入れる重要性が示された
読むときの注意 / Limitations

観察研究であり因果関係を示すものではありません。サンプル数が154組と小さく、特定の地域の家族に限られています。実行機能の測定が5歳時の1点のみで、長期的な影響は不明です。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
コホート研究多くの人を追跡する観察研究。因果関係の証明は限定的。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
縦断的コホート研究
エビデンス強度
コホート研究
掲載誌
Psychology of Violence
発表年
2014
DOI
10.1037/a0037971
出典
Europe PMC

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2025 · ナラティブレビュー総説・その他

乳幼児期の曝露と子どもの健康:日本の21世紀新生児縦断調査(LSN21)のレビュー

日本の大規模出生コホート「21世紀出生児縦断調査(LSN21)」(2001年・2010年コホート、計約85,000名)の研究成果をまとめたナラティブレビューです。授乳方法・育て方・家庭環境・保護者のかかわりなど多様な乳幼児期の曝露が、子どもの健康・発達・学習に関連することが示されています。特に育て方・家族環境の影響が複数の分野で確認されています。

2026 · システマティックレビュー(ナラティブ統合)メタアナリシス

母親の健康リテラシーは乳幼児の健康に影響する?:システマティックレビュー

母親の健康リテラシー(健康情報を理解し活用する力)が高いほど、赤ちゃんの出生体重が良好で、黄疸再入院やおむつかぶれが少ないなど、乳幼児の健康アウトカムが良い傾向があることが、7か国・1万3千人以上を対象にしたシステマティックレビューで示されました。ただし、証拠の質はGRADE評価で「低い〜とても低い」レベルであり、因果関係の確立には至っていません。

2026 · スコーピングレビューメタアナリシス

ADHD児の実行機能に対するさまざまな運動・身体活動介入の効果:スコーピングレビュー

ADHDと診断された6〜12歳の子どもを対象にした55件の介入研究(計3863名)を統合したスコーピングレビューです。水泳やサッカーなどの構造化スポーツや、認知課題を組み合わせた運動(エクサゲームを含む)が、抑制制御・ワーキングメモリ・認知的柔軟性の改善と関連していました。運動の強度・時間・認知的な要素が介入の効果に影響する可能性が示唆されています。