世界の学齢期の子どもにおける近視の疫学レビュー
A review on the epidemiology of myopia in school children worldwide
どんな研究?
01 — Summary2013〜2019年に発表された80件の研究をもとに、世界の学齢期(6〜19歳)の子どもにおける近視の有病率と危険因子をまとめました。アジア(特に東アジア)で近視の割合が高く(60〜73%)、アフリカ・南米では10%未満と低い傾向がありました。屋外活動の少なさや近くを見る作業の多さが確立した危険因子として示され、暗い環境での勉強や都市部での生活なども関連する可能性があります。
要点
02 — Key points- 01東アジアの子どもの近視有病率は73%と極めて高く、欧米(40%)やアフリカ(10%未満)と大きく異なる
- 02屋外活動が少ないことと近業(近くを見る作業)が多いことは確立した近視の危険因子
- 03暗い照明・LEDランプ・25cm未満の読書距離・都市生活も近視リスクと関連する可能性がある
非散瞳(非点眼薬使用)での測定を含む研究では有病率が過大評価される可能性がある。研究間で測定方法や基準が異なる。観察研究のまとめであり、因果関係の確立には限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 文献レビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- BMC Ophthalmology
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.1186/s12886-019-1220-0
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子どもと若者における緑地と近視の関係:システマティックレビューとメタアナリシス
子どもや若者の身のまわりにある緑地(公園や植物の多い環境)と近視の関係を調べた研究を集めて、まとめて分析したものです。6〜22歳の延べ約220万人を対象とした11件の研究を整理し、6件を統合して解析しました。多くの研究で、緑地が多い環境ほど近視になる人が少ない傾向が見られ、特に学校の敷地内や周囲500メートルほどの緑地が関連していました。
学齢期の子どもの近視と画面時間の増加の影響:システマティックレビュー
学齢期の子どもや若者で、画面(スマホ・タブレット・パソコンなど)を見る時間と近視の関連を調べた15件の研究(約6万人分)をまとめたレビューです。全体としては、画面時間と近視のはっきりした関連は確認できませんでした。研究によって結果が食い違っており、画面時間が近視の危険因子かどうかは現時点では結論づけられないとしています。
屋外で過ごす時間は遠視ぎみの子どもの近視を防ぐが、近視になりかけの子どもでは効果が弱い:クラスター無作為化試験の追加解析
中国・上海で、6〜9歳の子ども約3200人に腕時計型の機器を着けてもらい、屋外で過ごした時間を1年間記録した研究の追加解析です。もともと遠視ぎみの子どもでは、屋外時間が長いほど近視の方向への変化が小さく、1日約120分でその効果が頭打ちになりました。一方、すでに近視になりかけの子どもでは、屋外時間を増やしても効果ははっきりせず、1日120分を超えてようやく弱い傾向が見られる程度でした。