コホート研究

乳児期から幼児期にかけての神経発達移行パターンの同定と下降遷移のリスク因子

Identification of neurodevelopmental transition patterns from infancy to early childhood and risk factors predicting descending transition

どんな研究?

01 — Summary

浜松出生コホート研究の875人の子どもを18か月と32か月時点で追跡し、神経発達が「安定して良好」「改善」「低下」するパターンを分類した研究です。発達が低下する子では、乳児期(18か月)の過体重が低下パターンと関連していることが示されました。また、発達の低下は40か月時点の適応行動スコアの低さとも関連していました。

要点

02 — Key points
  • 01乳児期の過体重(18か月時点)は、その後の神経発達が低下するパターンと関連していた
  • 02発達が下降した子は40か月時点の適応行動スコアが低い傾向があった
  • 03周産期因子の中では、乳児過体重が最も強く発達低下と関連していた
読むときの注意 / Limitations

単一地域(浜松市)の比較的小規模(875人)なコホートであり、一般化には限界がある。観察研究のため因果関係は示せない。発達評価は専門家による直接評価と親の回答を組み合わせており、測定誤差が残る可能性がある。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
コホート研究多くの人を追跡する観察研究。因果関係の証明は限定的。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
縦断コホート研究
エビデンス強度
コホート研究
掲載誌
Scientific Reports
発表年
2022
DOI
10.1038/s41598-022-07591-5
出典
OpenAlex

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2024 · 前向きコホート研究コホート研究

出生時の胸囲頭囲比と子どもの神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査

約8万4千人の日本の赤ちゃんを対象に、生まれたときの胸囲と頭囲の比(胸囲頭囲比)が3歳までの発達と関係するかを調べた研究です。胸囲頭囲比が低い(相対的に頭が大きい・胸が小さい)赤ちゃんは、コミュニケーション・運動・問題解決などの発達が遅れるリスクが約1.1〜1.4倍高い傾向がありました。ただし、この比率で個々の発達を予測する精度は限られており、診断ツールとしては十分ではありません。

2022 · 前向きコホート研究コホート研究

母親の不妊治療と子どもの神経発達との関連:東北メディカル・メガバンク出生コホート研究

日本の東北地方の出生コホート研究で、不妊治療(体外受精など)で生まれた子どもと自然妊娠の子どもの2〜3.5歳時点の神経発達を比較しました。不妊治療で生まれた子どもと自然妊娠の子どもとの間で、神経発達スコアに統計的に有意な差は観察されませんでした。

2021 · 前向きコホート研究コホート研究

生後1年間の身体発育と神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査

日本の出生コホート研究で正期産の赤ちゃんを対象に、生後1年間の体重・身長の伸びが神経発達と関係するかを調べた研究です。体重・身長の増加が少ない赤ちゃんでは、神経発達の遅れがわずかに多い傾向が見られました。この傾向は男女で異なるパターンを示しました。ただし、関連は観察されたもので因果関係を示すものではありません。