出生時の胸囲頭囲比と子どもの神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
Association between chest-to-head circumference ratio at birth and childhood neurodevelopment: the Japan Environment and Children's Study
どんな研究?
01 — Summary約8万4千人の日本の赤ちゃんを対象に、生まれたときの胸囲と頭囲の比(胸囲頭囲比)が3歳までの発達と関係するかを調べた研究です。胸囲頭囲比が低い(相対的に頭が大きい・胸が小さい)赤ちゃんは、コミュニケーション・運動・問題解決などの発達が遅れるリスクが約1.1〜1.4倍高い傾向がありました。ただし、この比率で個々の発達を予測する精度は限られており、診断ツールとしては十分ではありません。
要点
02 — Key points- 01胸囲頭囲比が低い赤ちゃんは5つの発達領域すべてで遅れのリスクが高い傾向(調整リスク比1.14〜1.39)
- 02胸囲が相対的に小さいことが主な関連要因と考えられる
- 033歳の発達遅滞を予測するROC曲線下面積は0.51〜0.53程度と低く、スクリーニングとしての精度は限られる
観察研究のため因果関係は示せない。予測精度が低く、臨床的スクリーニングとして単独では使えない。発達評価はASQ(親の回答)による間接評価である。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Journal of Developmental Origins of Health and Disease
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1017/s2040174424000412
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児期から幼児期にかけての神経発達移行パターンの同定と下降遷移のリスク因子
浜松出生コホート研究の875人の子どもを18か月と32か月時点で追跡し、神経発達が「安定して良好」「改善」「低下」するパターンを分類した研究です。発達が低下する子では、乳児期(18か月)の過体重が低下パターンと関連していることが示されました。また、発達の低下は40か月時点の適応行動スコアの低さとも関連していました。
母親の不妊治療と子どもの神経発達との関連:東北メディカル・メガバンク出生コホート研究
日本の東北地方の出生コホート研究で、不妊治療(体外受精など)で生まれた子どもと自然妊娠の子どもの2〜3.5歳時点の神経発達を比較しました。不妊治療で生まれた子どもと自然妊娠の子どもとの間で、神経発達スコアに統計的に有意な差は観察されませんでした。
生後1年間の身体発育と神経発達との関連:日本子どもの健康と環境に関する全国調査
日本の出生コホート研究で正期産の赤ちゃんを対象に、生後1年間の体重・身長の伸びが神経発達と関係するかを調べた研究です。体重・身長の増加が少ない赤ちゃんでは、神経発達の遅れがわずかに多い傾向が見られました。この傾向は男女で異なるパターンを示しました。ただし、関連は観察されたもので因果関係を示すものではありません。