コホート研究

父親の育児関与の軌跡と子どもの行動的アウトカム

Trajectories of fathers' childcare involvement and child behavioral outcomes

どんな研究?

01 — Summary

日本の「21世紀出生児縦断調査」2010年コホートのデータを用いて、父親が1〜3歳の育児にどれだけ関与していたかの軌跡と、8歳時の子どもの行動との関連を調べました。父親の関与が「高い」グループでは、8歳時の子どもの情緒・行動上の問題が少ない傾向が示されました。継続的に関与が低い父親の子どもでは行動上の問題が多い傾向がありました。

要点

02 — Key points
  • 01父親の育児関与が高い(または増加した)グループの子どもは8歳時の行動問題が少ない傾向
  • 02乳幼児期の父親の継続的な低関与が行動上の問題と関連
  • 03日本の全国縦断調査データに基づく大規模研究
読むときの注意 / Limitations

観察研究のため因果関係は不明。育児関与は自己報告で測定誤差がある。母親の関与や家庭環境など他の交絡因子の影響が残る可能性がある。脱落者がいる可能性があり、選択バイアスが生じうる。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
コホート研究多くの人を追跡する観察研究。因果関係の証明は限定的。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
縦断コホート研究
エビデンス強度
コホート研究
掲載誌
Pediatrics International
発表年
2023
DOI
10.1111/ped.15671
出典
OpenAlex

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2026 · コホート研究(縦断研究)コホート研究

ひとり親(母子)家庭の子どもにおいて、身体活動がレジリエンスを高める可能性:A-CHILD研究

東京・足立区の小学生3,076人を対象にした縦断研究(A-CHILD研究)で、ひとり親(母子)家庭の子どもの身体活動量とレジリエンス(逆境に対処する力)の関係を調べました。ひとり親家庭の子どもは身体活動量が少なく、6年生時点でのレジリエンス得点も低い傾向がありました。特に男児では、身体活動量の低さがレジリエンスの低さを約84%媒介していました。運動の機会を増やすことが、不利な環境下の子どものレジリエンス向上に役立つ可能性があります。

2026 · 出生コホート研究コホート研究

生後10か月から3歳の神経発達のばらつきとADHD・自閉症の特性との関連:一般集団における研究

浜松の出生コホートで836人の子どもを9歳まで追跡した研究で、ADHDと自閉スペクトラム症(ASD)の特性には、生後1歳前からそれぞれ異なる運動・言語発達の遅れが先行する可能性があります。ADHDの特性は生後10か月以前の視覚認識や細かい手の動きの遅れと、ASDの特性は粗大運動と言語発達の遅れと関連する傾向がありました。

2025 · 縦断的コホート研究コホート研究

スクリーンタイムとADHD症状の発達の関連:脳構造の媒介役割

9〜10歳の子ども約10,000人を2年間追跡した大規模研究で、スクリーンタイムとADHD症状・脳構造の関係を調べました。スクリーンタイムが多い子どもは2年後にADHD症状が増加する傾向があり、前頭前野などの特定の脳領域の皮質の厚さが薄くなる傾向がありました。この研究は関連を示すものであり、スクリーンタイムがADHDを引き起こすと結論づけることはできません。