途上国の子どもにおける母乳育児とアレルギー有病率の関連
Association between breastfeeding and prevalence of allergies among children in developing countries
どんな研究?
01 — Summary途上国の子どもを対象にした研究で、母乳育児の排他性(完全母乳)とアレルギー(喘息・湿疹・アレルギー性鼻炎・食物アレルギー)との関連を調べました。完全母乳育児の期間が長いほどアレルギーの有病率が低い傾向がありましたが、途上国固有の文化・環境的要因が結果に影響している可能性があります。
要点
02 — Key points- 01途上国の子どもでは完全母乳育児の期間が長いほどアレルギー有病率が低い傾向がみられた
- 02牛乳を補完食として使用することはアトピーリスクの上昇と関連する可能性がある
- 03途上国での研究は少なく、環境・文化的要因の影響が大きい
観察研究のため因果関係は示せない。途上国特有の環境(衛生状態・感染症曝露など)が交絡因子となる可能性が高く、日本など高所得国への直接適用は難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的観察研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Qatar medical journal
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.5339/qmj.2023.sqac.19
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related抗生物質への曝露と子どものアトピー性皮膚炎の関連:システマティックレビュー・メタアナリシス
妊娠中または乳幼児期に抗生物質を使うと、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)のリスクが約22%高くなる傾向があることが、約750万人を対象にした39件の研究のメタアナリシスで示されました。乳幼児期の抗生物質使用のほうが、妊娠中の使用よりリスクが高い傾向がありました。ただし異質性が非常に高く、因果関係は確立していません。
母乳育児と子どものアレルギー疾患との関連:エコチル調査
エコチル調査の約10万件のデータを分析した研究で、生後6か月間の完全母乳育児は気管支ぜんそくや鼻炎のリスクを下げる傾向がある一方、食物アレルギーのリスクはやや上昇する傾向が示されました。これらの関連は3歳以降には薄れていき、また男女差も見られました。
離乳食期のオーガニック食品摂取と5.5歳までの呼吸器・アレルギー疾患との関連:ELFEコホート
フランスの大規模コホート研究(8,000人超)で、離乳食期にオーガニック食品を多く食べた乳児がその後の喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎などのリスクと関連するかを調べました。アレルギー家族歴のある親はオーガニック食品を選ぶ傾向があり、オーガニック食品摂取が5.5歳までの呼吸器・アレルギー疾患の発生と関連するかどうかは現時点では明確な結論が得られていません。