改訂WIC食料パッケージによる子どもの肥満予防の費用対効果
Cost-effectiveness of Improved WIC Food Package for Preventing Childhood Obesity
どんな研究?
01 — Summary米国の低所得家庭向け補助栄養プログラム(WIC)が2009年に栄養基準を改訂した効果を、2〜4歳の参加児約1,400万人を対象に推計しました。2019年時点で約6万2,700件の肥満を予防でき、質調整生存年あたり約1万600ドルという費用対効果が示されました。低所得・人種的マイノリティの子どもで肥満格差が改善された可能性があります。
要点
02 — Key points- 01栄養基準改訂により、2019年時点で約6万2,700件の幼児肥満が予防されたと推計された
- 02費用対効果は質調整生存年あたり約1万600ドルで、費用対効果が高いと評価された
- 03低所得・マイノリティの子どもで健康格差の縮小に貢献した可能性がある
マイクロシミュレーションモデルによる推計であり、実際の観察データではない。米国の政策・食品環境に基づいており、日本への直接適用には限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 費用対効果分析(マイクロシミュレーション)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- PEDIATRICS
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1542/peds.2023-063182
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related「行動のしくみ」を使った働きかけは、子どもの食事を改善する?(システマティックレビュー)
子どもがより健康的に食べられるように、人の「行動のしくみ」(ナッジ=そっと後押しする工夫)を使った取り組みが効果的かを、137件の取り組みをまとめて調べた研究です。こうした工夫の約7割で、子どもの食事に良い変化がみられました。とくに効果的だったのは、ごほうび(インセンティブ)、初期設定を健康的なものにする(例:標準を野菜つきにする)、置き場所など環境を変える工夫でした。一方、情報を伝えるだけの方法は最も効果が小さいものでした。
家庭ベースの肥満予防介入が子どもの食行動に与える影響:Guelph家族健康研究RCTの知見
未就学児の家庭を対象に、健康的な生活習慣の定着を目指す6か月間の家庭ベース肥満予防プログラム(RCT)を実施したところ、子どもの食行動に対する介入効果は対照群と比較して有意差がありませんでした。ただし、時間の経過とともに感情的な過食や偏食が増える一方、飲み物への欲求や感情的な少食が減るという時間的変化は両群共通して観察されました。
乳児期のたんぱく質を炭水化物や脂肪に置き換えると幼児期のBMIが低い:メルボルンInFANTプログラムより
9か月時点の食事データを持つ345人の子どもを5歳まで追跡した研究で、乳児期にたんぱく質の摂取割合を炭水化物や脂肪に置き換えると、5歳時のBMI zスコアが約0.16ポイント低くなる傾向がありました。植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の置き換えでは有意な差はみられませんでした。乳児期の過剰なたんぱく質摂取を控えることが肥満予防につながる可能性を示しています。