子どもの近視の発症・進行予防のための屋外時間を増やす介入:コクランレビュー
Interventions to increase time spent outdoors for preventing incidence and progression of myopia in children
どんな研究?
01 — Summary屋外で過ごす時間を増やすことが子どもの近視の発症・進行を防ぐかを調べた5つのランダム化比較試験(計10,733人の小学生)をまとめたコクランレビューです。学校での屋外活動時間を増やす介入を受けた子どもは、2年時点で近視の発症率が約4%低い傾向が見られました(22.5% vs 26.7%)。ただし証拠の確実性は「中程度」で、長期的な効果はまだ不確かな部分があります。
要点
02 — Key points- 01屋外時間を増やす介入により、2年時点での近視発症率が対照群より約4%低い可能性があった(中程度の証拠)
- 02屈折率(近視の度合い)の変化も2年時点で介入群のほうが小さく、臨床的に意味のある差の可能性がある
- 031年・3年時点での効果は証拠の確実性が低く、長期的効果を断定するには研究が不十分
エビデンスの確実性は中程度〜低程度。含まれたRCTは主にアジア(中国・台湾)の小学生を対象としており、他地域への一般化には注意が必要。屋外活動の中身(日光曝露か身体活動か)の分離は困難。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(RCTのみ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Cochrane Database of Systematic Reviews
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1002/14651858.cd013549.pub2
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related卓球への参加が青少年の視力と目の健康に与える影響
2023〜2024年に眼科検査を受けた青少年239人(卓球グループ118人、対照121人)を対象に、卓球の定期参加が視力・近視・目の疲れと関係するかを調べた後ろ向きコホート研究です。追跡期間中の視力低下と近視の進行(球面等価値の変化)は、卓球グループで対照より小さく、目の表面疾患スコアや視覚疲労スコアも低い傾向がありました。卓球への参加強度が高いほど近視の進行が少ないという用量反応の可能性も示されました。
世界の学齢期の子どもにおける近視の疫学レビュー
2013〜2019年に発表された80件の研究をもとに、世界の学齢期(6〜19歳)の子どもにおける近視の有病率と危険因子をまとめました。アジア(特に東アジア)で近視の割合が高く(60〜73%)、アフリカ・南米では10%未満と低い傾向がありました。屋外活動の少なさや近くを見る作業の多さが確立した危険因子として示され、暗い環境での勉強や都市部での生活なども関連する可能性があります。
子どもと若者における緑地と近視の関係:システマティックレビューとメタアナリシス
子どもや若者の身のまわりにある緑地(公園や植物の多い環境)と近視の関係を調べた研究を集めて、まとめて分析したものです。6〜22歳の延べ約220万人を対象とした11件の研究を整理し、6件を統合して解析しました。多くの研究で、緑地が多い環境ほど近視になる人が少ない傾向が見られ、特に学校の敷地内や周囲500メートルほどの緑地が関連していました。