COVID-19パンデミックが乳児の発達に与えた影響:生後10〜11か月・18〜24か月の発達評価結果の分析
Effect of the COVID-19 pandemic on infants' development: analyzing the results of developmental assessments at ages 10–11 and 18–24 months
どんな研究?
01 — Summaryコロナ禍(2020〜2023年)に生後10〜11か月の健診を受けた日本の乳児の発達を、複数の発達評価ツールで調べ、パンデミック前のデータと比較しました。パンデミック中の乳児では言語の受容・表出に関する発達が遅れ気味の傾向が見られ、18〜24か月時点でも言語・社会性(言語社会領域)の発達指数がパンデミック前より低い可能性が示されました。一方、操作や食事など別の領域では差がみられませんでした。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍の乳児は10〜11か月時点で言語の受容・表出の発達年齢が実年齢より低い傾向があった
- 0218〜24か月時点でも言語・社会性領域の発達指数がパンデミック前データと比較して低かった
- 03評価ツールによって結果が異なり、保護者記入式質問票と専門家による個別評価では異なる側面が捉えられた
単施設・日本の研究であり、比較対象(パンデミック前データ)と評価方法が完全に一致しない点に限界がある。観察研究であり、コロナ禍の何が発達に影響したかの因果関係は明らかでない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前後比較観察研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Frontiers in Psychology
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.3389/fpsyg.2024.1430135
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — RelatedCOVID-19パンデミックが3歳児の発達と養育環境に与えた影響:神戸市の7年間の繰り返し横断研究
神戸市で2014〜2021年の約6万2000人の3歳児データを比較した研究で、コロナ禍(2020年4月以降)に生まれた子どもは、パンデミック前の子どもに比べて言語理解の遅れや語彙の少なさが多い傾向がありました。外出・保育施設への参加機会が減り、社会的なやりとりの機会が少なかったことが一因として考えられています。
COVID-19パンデミックが乳幼児の発達に与えた縦断的影響:後ろ向きコホート研究
パンデミック前後に生まれた米国の子ども604人の24か月時点の発達を比較した研究です。パンデミック中に生まれた子どもは、コミュニケーション・個人・社会的スキルのスコアが低く、微細運動の遅れの割合も高い傾向が見られました。男児では言語と微細運動の遅れがより顕著でした。
COVID-19パンデミックが子どもの発達に与えた影響:パンデミック前・中・後の比較
COVID-19パンデミック中に18〜24か月だった子どもたちを36〜42か月まで追跡した研究です。パンデミック中に見られた言語発達への影響は36〜42か月時点では解消していましたが、新たに運動発達の発達指数の低下が確認されました。この運動への影響がパンデミックによるものか他の要因かは、さらなる検証が必要とされています。