COVID-19パンデミックが3歳児の発達と養育環境に与えた影響:神戸市の7年間の繰り返し横断研究
Impact of the COVID-19 Pandemic on Child Development and Caregiving: A 7-Year Repeated Cross-Sectional Study of 3-Year-Old Children in Kobe City, Japan.
どんな研究?
01 — Summary神戸市で2014〜2021年の約6万2000人の3歳児データを比較した研究で、コロナ禍(2020年4月以降)に生まれた子どもは、パンデミック前の子どもに比べて言語理解の遅れや語彙の少なさが多い傾向がありました。外出・保育施設への参加機会が減り、社会的なやりとりの機会が少なかったことが一因として考えられています。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍の子どもは言語理解の遅れがパンデミック前より有意に多い傾向(3.6% vs. 2.1%)
- 02コミュニケーション能力(語彙・文章構成など)にも有意な差が見られた
- 03保育施設や療育施設への参加機会の減少が言語・社会的発達に影響した可能性がある
繰り返し横断研究のため個人の経過は追えません。パンデミック関連の具体的などの要因(感染・自粛・保育機会減少)が影響したかは特定できず、観察研究のため因果関係は示せません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 繰り返し横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- PLOS One
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1371/journal.pone.0322344
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — RelatedCOVID-19パンデミックが乳児の発達に与えた影響:生後10〜11か月・18〜24か月の発達評価結果の分析
コロナ禍(2020〜2023年)に生後10〜11か月の健診を受けた日本の乳児の発達を、複数の発達評価ツールで調べ、パンデミック前のデータと比較しました。パンデミック中の乳児では言語の受容・表出に関する発達が遅れ気味の傾向が見られ、18〜24か月時点でも言語・社会性(言語社会領域)の発達指数がパンデミック前より低い可能性が示されました。一方、操作や食事など別の領域では差がみられませんでした。
COVID-19パンデミックが乳幼児の発達に与えた縦断的影響:後ろ向きコホート研究
パンデミック前後に生まれた米国の子ども604人の24か月時点の発達を比較した研究です。パンデミック中に生まれた子どもは、コミュニケーション・個人・社会的スキルのスコアが低く、微細運動の遅れの割合も高い傾向が見られました。男児では言語と微細運動の遅れがより顕著でした。
COVID-19パンデミックが子どもの発達に与えた影響:パンデミック前・中・後の比較
COVID-19パンデミック中に18〜24か月だった子どもたちを36〜42か月まで追跡した研究です。パンデミック中に見られた言語発達への影響は36〜42か月時点では解消していましたが、新たに運動発達の発達指数の低下が確認されました。この運動への影響がパンデミックによるものか他の要因かは、さらなる検証が必要とされています。