乳歯列の前歯咬合に影響する要因の解明:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)より
Elucidation of Factors Affecting Anterior Occlusion in Primary Dentition Based on the Japan Environment and Children's Study.
どんな研究?
01 — Summary日本の約3800組の親子データを分析した研究で、開咬(前歯がかみ合わない状態)の子どもでは、1歳まで母乳を飲んでいた割合や2歳時に指しゃぶり・おしゃぶりを使っていた割合が高かったことがわかりました。またスポーツドリンクの早期摂取との関連も示されました。これらの要因が乳歯列の前歯咬合に関係する可能性があります。
要点
02 — Key points- 01開咬(前歯が噛み合わない)グループでは2歳時の指しゃぶり・おしゃぶり使用率が有意に高かった
- 021歳まで母乳を続けた割合も開咬グループで多かった
- 03スポーツドリンクの摂取(1.5歳)も開咬グループで多く観察された
コホート研究のため観察的であり、因果関係は不明。前歯咬合の評価は親による報告であり客観的計測ではない。残余交絡の可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(横断的分析)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Children
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.3390/children12020254
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related授乳と「栄養を伴わない吸う癖」について知っておきたいこと
指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。
一卵性双生児で見た指しゃぶりの歯への影響:症例報告
遺伝も生活環境もほぼ同じ一卵性双生児のうち、一方だけに指しゃぶりの癖がある事例を比べた報告です。指しゃぶりを続けた子では、前歯のかみ合わせが開く(開咬)、上の前歯が前に出る、上あごの幅が狭いといった違いがみられました。遺伝の影響をそろえて比べているため、指しゃぶりそのものが歯並びに影響しうることを示す事例です。
おしゃぶり・指しゃぶり・口呼吸と、歯並びの乱れ(横断研究)
おしゃぶりや指しゃぶりなどの口のくせ、口呼吸が、子どもの歯並びの乱れ(不正咬合)と関係するかを、3017人の子どもで調べた研究です。これらの長く続くくせや口呼吸は、歯並びや、あごなど顔の骨の成長のパターンの乱れと関連していました。早めに気づいて対応することが、歯並びの予防・早期治療に役立つとされています。