コロナ禍のNICUケア制限が早産児の18か月修正月齢時の発達に与えた影響
Neurodevelopmental Outcomes in Preterm Infants at 18 Months of Corrected Age Following Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Pandemic-Related Neonatal Intensive Care Unit (NICU) Care Changes
どんな研究?
01 — Summaryコロナ禍(2020年3月以降)に生まれた早産児は、コロナ前に生まれた早産児と比べて、18か月時点での認知・適応および言語・社会性の発達スコアが有意に低い傾向がありました。これはコロナ禍の面会制限やカンガルーケアの中断が親子の関わりを減らしたことが影響した可能性を示しています。日本の大学病院での単施設研究です。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍群は認知・適応DQ(80 vs 92, p=0.01)と言語・社会性DQ(73 vs 89, p=0.04)が有意に低い
- 02在胎週数・出生体重・性別を調整しても結果は変わらなかった
- 03コロナ禍のNICU面会制限・カンガルーケア中断が影響した可能性
単施設の小規模後ろ向き研究(各群22人)であり、サンプル数が少なく結果の信頼性には限界があります。観察研究であり、関連であって因果関係ではありません。コロナ禍群のほうが在胎週数がやや大きく、交絡が完全に除外できません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 後ろ向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Cureus
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.7759/cureus.80266
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related早産切迫に対するニフェジピン維持トコリシス後の学業成績:APOSTEL 2試験の12年追跡
切迫早産に対してニフェジピン(子宮収縮抑制薬)で維持療法を受けた子どもは、プラセボ群と比べて12歳時点の中学校進学コース(高コース)への推薦率が有意に低いことが示されました。特に9〜14日間ニフェジピンに曝露した子どもでは、曝露がなかった子どもと比べてリスク比0.58と成績の差が顕著でした。この結果は、ニフェジピンの維持療法に慎重な姿勢をとるべき根拠をさらに強めるものです。
コロナ禍の暴露と幼児期の神経発達:母親のうつ・不安症状が媒介する?
コロナ禍(2020〜2022年)に妊娠・育児をしたカナダの母親と子ども(就学前)のコホート研究で、パンデミック曝露(妊娠前・後)と子どもの神経発達の関連に、母親のうつ・不安症状が間に入っている(媒介)かどうかを検討しました。母親の精神的健康が低下することで、子どもの発達への悪影響が増す可能性が示唆されましたが、関連の大きさは限定的です。
後期早産・早期正期産の短期・長期的影響
妊娠34〜38週台の「後期早産」や「早期正期産」で生まれた赤ちゃんは、満期産(39〜40週)と比べて呼吸器疾患・低血糖・黄疸などの問題を起こしやすく、神経発達の遅れや行動・精神的な問題のリスクも高い可能性があることがわかっています。これらのリスクは成人になっても続くことが示されています。