就学前児における跳躍距離制御に見る方向感覚・分化能力の発達特性
Developmental characteristics of orientation and differentiation abilities in the control of jumping distance in preschool children
どんな研究?
01 — Summary3.5〜6歳の子ども318人を対象に、ジャンプ距離を調節する運動協調課題を通じて、就学前の運動能力(方向感覚・分化能力)の発達を調べた研究です。4歳頃から即時フィードバックへの反応が現れ始め、4.5〜5歳頃には試行間で精度が向上するなど、動きを調整する能力が育ち始める様子が示されました。
要点
02 — Key points- 01即時フィードバック(2試行目の精度向上)は4歳ごろから現れ始め、5歳でより安定した
- 02運動協調の基礎的な能力は就学前の早い段階から発達する
- 03年齢に応じた体育・遊びの設計に活かせる基礎的知見を提供している
横断研究であり縦断的な発達の変化は追えない。運動イメージの直接評価はなく、その推察は示唆にとどまる。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Frontiers in Pediatrics
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.3389/fped.2025.1365323
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related発育不良(スタンティング)の幼児における栄養状態と身体活動の交互作用が運動発達に与える影響
インドネシアの発育不良(身長が低い)の24〜59か月の子ども120人を対象に、栄養状態と身体活動の両方が運動発達に関係するかを横断的に調べました。栄養状態・身体活動ともに運動発達と有意な関連があり、重度の発育不良かつ低身体活動の子どもでは運動発達の遅れのリスクが最も高い傾向がありました(調整オッズ比6.25)。
就学前児童(5〜6歳)の下肢爆発力に対する武術プログラムの効果:クラスターランダム化比較試験
5〜6歳の子ども約200人を対象に、週3回の武術(ウーシュー)プログラムが下肢の力(ジャンプや走る動き)に与える影響をランダム化比較試験で調べました。4週間および10週間のプログラムいずれも、自由遊びと比べて立ち幅跳びの成績が有意に向上しました。特に10週間のプログラムでは、連続ジャンプや素早い方向転換の動きも改善されました。武術のような構造化された運動プログラムが、幼児の下肢の運動能力を高める可能性が示されています。
子どもの運動器機能不全(JMD)に関連する要因
日本の兵庫県で行われた出生コホート研究の一環として、8歳の子ども1217人を対象に、「運動器機能不全(JMD)」と関連する要因を調べました。片脚立ち・しゃがみ込み・腕の挙上・前屈の4つの動作検査で1つ以上ができない子の割合は36.0%に達しました。男児であること、肥満があることがJMDと関連しており、反対に日常的な身体活動はJMDが少ない傾向と関係していました。ただし、この研究は関連を示すものであり、原因と結果を直接証明するものではありません。