子どもの運動器機能不全(JMD)に関連する要因
Factors associated with juvenile musculoskeletal dysfunction in children.
どんな研究?
01 — Summary日本の兵庫県で行われた出生コホート研究の一環として、8歳の子ども1217人を対象に、「運動器機能不全(JMD)」と関連する要因を調べました。片脚立ち・しゃがみ込み・腕の挙上・前屈の4つの動作検査で1つ以上ができない子の割合は36.0%に達しました。男児であること、肥満があることがJMDと関連しており、反対に日常的な身体活動はJMDが少ない傾向と関係していました。ただし、この研究は関連を示すものであり、原因と結果を直接証明するものではありません。
要点
02 — Key points- 018歳の子どもの約3人に1人(36%)が、簡単な運動動作の1つ以上を行えない「運動器機能不全(JMD)」に該当した
- 02肥満(オッズ比3.06)と男児(オッズ比1.98)がJMDのリスク因子として関連した
- 03日常的な身体活動はJMDの少なさと関連しており、運動習慣の重要性が示唆された
横断的なコホート研究の一部であり、観察研究として関連を示すものに過ぎず、身体活動やJMDの因果関係は確認できません。単一の年齢(8歳)のみのデータであり、経時的な変化は追えていません。またJMDの定義は本研究独自のもので、国際標準的な基準ではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(出生コホートの付随研究・横断解析)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- BMC musculoskeletal disorders
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1186/s12891-026-09782-1
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related小学生期における心肺持久力・体組成・身体活動量の縦断的な追跡:客観的測定による日本の研究
関東地方の小学生を1年生から数年間にわたって追跡し、心肺持久力(CRF)・体脂肪率・中高強度身体活動量(MVPA)の客観的な推移を調べました。心肺持久力と体脂肪率は小学生の間を通じてある程度「追跡性(同じ子が高い・低いを維持する傾向)」が確認されました。身体活動量も一定の追跡性があるものの、心肺持久力・体脂肪率よりやや弱い傾向でした。
乳児期の体重増加と運動発達が、学童期の体脂肪・身体活動量に与える影響
乳児期(生後18か月まで)の急な体重増加と、つかまり立ちの時期が遅いことは、小学1年生時点での体脂肪量の多さと関連していました。つかまり立ちが遅い子どもは身体活動量(元気に動く時間)も少ない傾向がありました。つかまり立ちと体脂肪の関連は小学5年生まで続いていましたが、体重増加との関連は5年生では弱まっていました。
乳児期の粗大運動発達と学童期の身体活動:体脂肪の役割
乳児期につかまり立ち・つかまり歩き・はいはいの達成が遅い子どもは、小学1年生時点での体脂肪が多く、活発に体を動かす時間(MVPA)も少ない傾向がありました。つかまり立ちの達成が遅いほど身体活動量が少ない関連は、体脂肪を考慮しても変わらず、運動マイルストーンの達成時期が後の活動量に直接影響している可能性が示されました。