小学生期における心肺持久力・体組成・身体活動量の縦断的な追跡:客観的測定による日本の研究
Longitudinal Tracking of Objective Measures of Cardiorespiratory Fitness, Body Composition, and Physical Activity in Children
どんな研究?
01 — Summary関東地方の小学生を1年生から数年間にわたって追跡し、心肺持久力(CRF)・体脂肪率・中高強度身体活動量(MVPA)の客観的な推移を調べました。心肺持久力と体脂肪率は小学生の間を通じてある程度「追跡性(同じ子が高い・低いを維持する傾向)」が確認されました。身体活動量も一定の追跡性があるものの、心肺持久力・体脂肪率よりやや弱い傾向でした。
要点
02 — Key points- 01小学生期を通じて心肺持久力と体脂肪率は追跡性(個人内の相対的順位の安定性)が確認された
- 02身体活動量にも追跡性があるが、心肺持久力・体脂肪率より弱かった
- 03加速度計・DEXA法など客観的手法で測定した縦断研究
関東地方の5校から参加した247人を対象とした比較的小規模な研究であり、日本全体を代表するものではありません。追跡期間中に脱落した参加者がいるため、結果に偏りが生じた可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(縦断研究)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Medicine & Science in Sports & Exercise
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1249/mss.0000000000003902
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related徒歩通学と身体活動・体力の関連:岡山県の小学生を対象とした研究
岡山県の小学生249人を対象に、徒歩通学の時間と身体活動量・体力の関係を加速度計と体力テストで調べました。徒歩通学時間が長いほど、登下校の時間帯や1日全体の歩数・中高強度身体活動量が多い傾向がありました。特に女子では、徒歩通学時間が長いほど体力テストの一部(反復横跳び・20mシャトルラン・立ち幅跳び)の成績が高い傾向がみられました。
ヨーロッパの子ども・青少年における体力の長期的な変化:1965〜2025年の系統的レビュー
ヨーロッパ20か国・約41万7千人の子ども(6〜16歳)を対象に、1965年から2023年にわたる体力の変化を調べた系統的レビューです。心肺持久力は1980年代まで向上していたものの、その後は低下が続いており、2015〜2023年には下げ止まりの兆しも見られました。筋力・柔軟性・体組成など複数の体力要素で長期的な悪化傾向が確認され、特に男子では体組成の悪化が顕著でした。
5〜10歳児の身体活動・体力・運動能力の関係:システマティックレビュー
2020〜2025年に発表された13件の観察研究(5〜10歳の子ども対象)をもとに、身体活動・体力・運動能力の3つの関係を整理しました。運動能力が高い子どもは身体活動量が多く体力も高い傾向があり、特に客観的指標で測定した研究でこの関連が明確でした。ただし研究の質や方法にばらつきがあり、エビデンスの確実性は「低〜中程度」と評価されています。