ヨーロッパの子ども・青少年における体力の長期的な変化:1965〜2025年の系統的レビュー
Temporal Trends in Health-Related Components of Physical Fitness of European Children and Adolescents from 1965 to 2025: A Systematic Review of Data on 417,362 Participants from 20 Countries
どんな研究?
01 — Summaryヨーロッパ20か国・約41万7千人の子ども(6〜16歳)を対象に、1965年から2023年にわたる体力の変化を調べた系統的レビューです。心肺持久力は1980年代まで向上していたものの、その後は低下が続いており、2015〜2023年には下げ止まりの兆しも見られました。筋力・柔軟性・体組成など複数の体力要素で長期的な悪化傾向が確認され、特に男子では体組成の悪化が顕著でした。
要点
02 — Key points- 01心肺持久力は1980年代以降、長期的に低下傾向が続いている
- 02上肢・下肢の筋力や柔軟性も1970〜2020年代にかけて低下した
- 03体組成(肥満傾向)は男子でより顕著に悪化している
対象はヨーロッパ20か国のデータであり、日本の子どもへの直接の適用には限界があります。研究間で測定方法が異なるため、比較には不確実性が伴います。また観察的デザインのため、原因と結果の関係は示せません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 系統的レビュー(繰り返し横断研究のデータ統合)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Sports Medicine - Open
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1186/s40798-026-01032-x
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related韓国における学校の身体活動介入が体力とBMIに与える効果:三水準メタアナリシス
韓国の子ども・青少年を対象とした24件の研究を統合したメタアナリシスです。学校での身体活動プログラムは、筋持久力・筋力・柔軟性・BMI・体脂肪率に小〜中程度の改善をもたらす可能性があることが示されました。週100〜150分の身体活動が最も効果的な目安として浮かび上がりました。ただし、含まれた研究の規模が小さく、効果の一般化には限界があります。
5〜10歳児の身体活動・体力・運動能力の関係:システマティックレビュー
2020〜2025年に発表された13件の観察研究(5〜10歳の子ども対象)をもとに、身体活動・体力・運動能力の3つの関係を整理しました。運動能力が高い子どもは身体活動量が多く体力も高い傾向があり、特に客観的指標で測定した研究でこの関連が明確でした。ただし研究の質や方法にばらつきがあり、エビデンスの確実性は「低〜中程度」と評価されています。
コロナ禍のロックダウン前後で学齢児の体力はどう変わったか:ハンガリー国家学生体力テストコホート
ハンガリーの小中学生28万人以上のデータを使い、コロナ禍(2018/2019年度と2021/2022年度)の前後で体力を比較しました。BMIや体脂肪率、心肺持久力、柔軟性、腹筋・腕立て伏せの筋力は低下していましたが、立ち幅跳びや体幹・握力は向上していました。この変化には、学校ごとの差が大きく、学校環境が子どもの体力形成に大きな影響を与えていることも示されました。