母乳育児の開始と期間と3〜5歳の子どもの身体・精神・行動の健康との関連:米国全国調査
Breastfeeding initiation and duration: links to physical, mental and behavioural health in US children aged 3-5 years.
どんな研究?
01 — Summary米国の40,280人の3〜5歳の子どもを対象にした全国調査で、母乳を与えた経験のある子どもは行動上の問題(ADHDや行動障害)のリスクが約24%低い傾向が見られました。精神的な問題についても低い傾向がありましたが統計的な有意差のボーダーラインでした。一方、身体的な問題(ぜんそく・アレルギーなど)との関連は認められませんでした。
要点
02 — Key points- 01母乳を飲んだことのある子どもは行動上の問題のリスクが約24%低かった(オッズ比0.76)
- 02精神的な問題(不安・うつ)も低い傾向があったが統計的に境界域(p=0.067)
- 03身体的な疾患(ぜんそく・アレルギー)との関連は見られなかった
横断研究であり因果関係は不明。親の自己申告データに基づく。母乳育児と行動上の利益の間にある交絡(育て方・社会経済的環境など)を完全に除外できていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究(全国サーベイ)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- BMJ Nutrition, Prevention & Health
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1136/bmjnph-2025-001175
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related早産・低出生体重児の在宅ケアを支援する介入:親・家族・養育者へのシステマティックレビューとメタアナリシス
早産や低出生体重で生まれた赤ちゃんを自宅でケアする親・家族を支援する介入の効果を、47件の研究をまとめて調べました。支援プログラムは乳児の死亡率の改善、母乳育児の促進、赤ちゃんの認知発達の向上、そして親のストレス・うつの軽減につながる可能性が示されました。ただし、多くの研究でエビデンスの確実性は低〜非常に低い水準でした。
出生直後・早期の肌と肌のふれあい(スキン・トゥ・スキン)は母子によい
69件のランダム化比較試験(7,290組)をまとめたコクランレビューによると、出生直後に赤ちゃんをお母さんの胸の上に直接置く「スキン・トゥ・スキン(SSC)」は、通常の新生児ケアと比べて完全母乳育児率を高め(出産後1か月まで:RR 1.36)、赤ちゃんの体温・血糖値も改善させる傾向が示されました。母子双方にとって出産直後のSSCは推奨に値するとしています。
生後6か月間の完全母乳育児が熱性けいれんに与える効果:システマティックレビューとメタアナリシス
13件の研究をまとめたメタアナリシスで、生後6か月間の完全母乳育児を行った子どもは熱性けいれんのリスクが有意に低い傾向が示されました。完全母乳育児ではオッズ比0.65(95%信頼区間0.50〜0.85)と約35%リスクが低く、部分母乳育児でも低下傾向がみられました。ただし、このメタアナリシスに使われた研究は6件と少なく、さらなる研究が必要です。