米国における安全な乳児睡眠ガイドラインへの遵守状況:2016〜2022年の動向と格差
Maternal adherence to safe infant sleep recommendations in the USA: trends and disparities from PRAMS 2016-2022
どんな研究?
01 — Summary米国で約12万人の母親を対象にした大規模調査(2016〜2022年)によると、仰向け寝・ベッド共有なし・硬い寝具・おしゃぶり使用という4つの安全睡眠ガイドラインへの遵守率は横ばい傾向で、低所得・低学歴・黒人・ヒスパニック系の母親で非遵守率が高いことが示されました。睡眠関連乳児死亡の格差を縮小するためには、こうした社会的要因への対策が必要とされています。
要点
02 — Key points- 012016〜2022年の米国データで、安全な睡眠ガイドラインへの遵守率は横ばい
- 02低所得・低学歴・黒人・ヒスパニック系で非遵守率が高い傾向
- 03ベッド共有(添い寝)が最も遵守されにくいガイドライン
自記式アンケートによる調査のため、実際の睡眠行動との乖離がある可能性がある。PRAMS調査は一部の州のみが参加しており、全米を完全に代表するわけではない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的観察研究(大規模調査データ分析)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- BMJ Paediatrics Open
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/bmjpo-2025-003520
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related日本の養育者における乳児の睡眠環境に関する実態と意識調査
日本の養育者を対象に、乳児の安全な睡眠環境の実態と知識を調べた横断調査です。柔らかい寝具の使用や添い寝など、乳幼児突然死症候群(SIDS)・窒息リスクと関係する行動が一部の家庭で続いていることが示されました。安全な睡眠環境への啓発が日本でも引き続き重要であることが強調されています。
乳児の予期せぬ突然死のうち、原因不明のもの(SIDS)では、原因が説明できた死亡より添い寝が多かった
スウェーデンで2005〜2011年に予期せず突然亡くなった乳児261人を、解剖や記録から「原因不明(SIDS)」と「原因が説明できたもの」に分けて比べた研究です。原因不明(SIDS)のグループでは、大人と同じ寝床で寝る添い寝の割合が、原因が説明できたグループよりはっきり高くなっていました。うつぶせ寝も同様に多くみられました。なお記録自体が不十分な例も多く、慎重に読む必要があります。
赤ちゃんの寝る向きと、乳児突然死症候群(SIDS)(システマティックレビュー)
赤ちゃんを「仰向け」で寝かせることが、乳児突然死症候群(SIDS)などのリスクを下げるかを、54件の研究(約47万人)をまとめて調べた研究です。うつぶせや横向きに比べて、仰向けで寝かせるとSIDSのリスクがおよそ半分に下がる関連がみられました(オッズ比0.51)。世界の多くのガイドラインが勧める「仰向け寝(バック・トゥ・スリープ)」を支持する結果です。