妊娠初期のヨウ素不足と思春期の知能との関連
Iodine deficiency in the first pregnancy trimester and intelligence in adolescence
どんな研究?
01 — SummaryALSPAC(英国の長期親子コホート)で、母親1,211人の妊娠初期の尿中ヨウ素・クレアチニン比と、子どもの15歳時IQスコアの関係を調べました。妊娠初期のヨウ素不足が青年期の知能と関連している可能性が示されましたが、乳幼児期での影響が青年期まで続くかどうか、直接的な因果関係は不明です。
要点
02 — Key points- 01妊娠初期の尿中ヨウ素・クレアチニン比と子どもの15歳時IQスコアの関連を検討した
- 02ALSPAC(n=1,211母子ペア)を用いた長期追跡研究
- 03妊娠初期のヨウ素不足が青年期の知能と関連する可能性が示唆された
観察研究であり因果関係は示せない。ヨウ素は尿中単一時点の測定で、食事全体や他の栄養素の影響を除外しきれない。英国のコホートであり、海藻など食文化の異なる日本への単純な一般化は難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究(ALSPAC)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- European Journal of Nutrition
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1007/s00394-026-03955-3
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の母親のヨウ素の状態と、子どもの神経発達(前向きコホートの用量反応メタアナリシス)
妊娠中の母親のヨウ素の足り具合が、子どもの神経発達と関係するかを、8つのコホート研究をまとめて調べた研究です。ヨウ素が不足ぎみだと、子どもの発達(とくに認知の面)がわずかに低い傾向がみられました。一方で、多ければ多いほどよいわけではなく、適量(おおよそ食事から150〜300µg/日くらい)が望ましいと示唆されています。
妊娠中のヨウ素摂取と乳児の気質:米国多民族コホート研究
妊娠中のヨウ素摂取量と赤ちゃんの気質(活発さ・なだめやすさなど)との関係を調べたところ、ヨウ素摂取量と乳児の気質の間には有意な関連がみられませんでした。ヨウ素は甲状腺ホルモンを通じて胎児の脳発達に重要な役割を持ちますが、この研究では気質への直接的な影響は確認されませんでした。
妊娠中のお母さんのヨウ素の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」のデータで、妊娠中のお母さんのヨウ素(海藻などに多く、甲状腺ホルモンに必要なミネラル)の摂取量と、子どもの神経発達との関係を調べました。ヨウ素の摂取が少ないお母さんの子どもでは、手先の細かい動きや問題解決などの発達が遅れるリスクがやや高い傾向が見られました。妊娠中の適切なヨウ素の摂取が、子どもの発達に関わる可能性があります。