母親のやせ(低BMI)と子どもの複合的栄養不良との関係:システマティックレビューとメタアナリシス
Association Between Low Maternal Body Mass Index (BMI) and the Co‐Occurrence of Multiple Forms of Childhood Undernutrition: A Systematic Review and Meta‐Analysis
どんな研究?
01 — Summary母親の妊娠前・妊娠期の低体重(BMI低値)が、5歳未満の子どもの発育不良・消耗症・低体重の組み合わせ(複合的栄養不良)とどう関係するかを、19研究・53万6840組の母子データを統合して検討した。低体重の母親を持つ子どもは、標準体重の母親を持つ子どもに比べて複合的栄養不良のリスクが約34%高い傾向が示された。この関係はアジア・アフリカともに認められたが、アジアではより強く、地域差もある。
要点
02 — Key points- 01母親の低BMI(やせ)は、子どもの複合的な栄養不良リスクを約34%高める傾向がある
- 02アジアとアフリカのいずれでも同様の傾向が確認されたが、アジアでより顕著だった
- 03妊娠前・妊娠期の母親の栄養改善介入が子どもの栄養不良予防につながる可能性がある
対象研究はすべて観察研究であり、関連であって因果関係を示すものではない。研究間の異質性が高く、対象地域の多くが低・中所得国であるため、日本への直接的な適用には注意が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Maternal and Child Nutrition
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1111/mcn.70188
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related1〜4歳の子どもの発達遅延リスクとその関連要因(エチオピア・ディレダワ市)
エチオピアで638人(1〜4歳)の子どもを対象にした調査で、約17%に発達遅延のリスクがみられました。早産、栄養不良、食事の多様性の低さ、妊娠中の母親の貧血などが、発達遅延と関係していました。子どもの時期の栄養と妊娠中の母親の健康が発達に大きな影響を与える可能性があります。
日本人低体重妊婦の現在の有病率と産科的アウトカム
日本の単施設で、2000〜2002年と2016〜2018年の妊婦データを比較した研究です。20代の妊婦が減り40代が増えた一方、低体重(やせ)の妊婦の割合に有意な変化はありませんでした。妊娠中の体重増加が推奨未満の女性が増えている傾向がみられましたが、産科的アウトカムに2時期間での差は認められませんでした。
妊娠中の抗精神病薬使用と新生児の健康:システマティックレビューとメタアナリシス
妊娠中に抗精神病薬(精神科薬)を服用した場合の赤ちゃんへの影響を、12本の研究(計1,000万以上の妊娠)でまとめました。先天異常のリスクは統計的に有意ではなく(OR 1.27、信頼区間が1をまたぐ)、早産リスクは有意に高い傾向(OR 1.35)でした。ただし研究間のばらつきが大きく、薬をやめることによる重症精神疾患の再燃リスクとのバランスを考慮した上で、主治医と相談して判断する必要があります。