乳幼児(0〜3歳)のスクリーン使用が発達に与える影響:心理・行動領域のシステマティックレビュー
The impact of screen-based media exposure on infant and toddler development: A systematic review of psychological and behavioral domains
どんな研究?
01 — Summary2007年〜2024年に発表された158件の研究を統合し、0〜36か月の乳幼児のスクリーン使用が9つの発達領域(睡眠・認知・言語・運動・感情・社会性など)に与える影響をまとめたスコーピングレビューです。スクリーン使用に伴うリスクが指摘される一方、研究間で結果にばらつきがあり、因果関係を示す証拠は限られています。コンテンツの種類や視聴環境(一緒に見るかどうか)などの詳細が多くの研究で欠如しており、今後の研究の必要性が強調されています。
要点
02 — Key points- 010〜36か月の乳幼児を対象に睡眠・認知・言語・運動など9領域の影響を系統的に整理した
- 02スクリーン使用のリスクが示唆される一方、研究間で結果のばらつきが大きい
- 03因果関係を示すデザインの研究が少なく、コンテンツや視聴環境の情報が不足している
スコーピングレビューであり、研究の質に基づく統合(メタアナリシス)は行っていない。対象研究の多くが観察研究で、スクリーン使用の因果効果は不明。スクリーンの種類・内容・共視聴の有無など重要な要素が研究間で不均一。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー(系統的文献検索)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Acta Psychologica
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.actpsy.2026.106438
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子どもの困難さ・親子の睡眠・親の管理と子どものスクリーンタイムの関連——日本の横断研究
日本の小・中学生225人の保護者を対象に、子どもの心理的困難さ、睡眠時間、親の管理とスクリーンタイムの関連を調べました。睡眠時間が短いほど、また心理的困難(感情・行動の問題)が多いほど、スクリーンタイムが長い傾向がありました。親によるメディア管理もスクリーンタイムの長さと関連していました。
デジタルメディアへの暴露と子どもの健康:イタリア小児科学会の推奨
イタリア小児科学会のデジタル依存委員会が、2018〜2025年の国際文献をシステマティックレビューし、未成年者のデジタルメディア使用の影響をまとめました。過剰・無制限な使用は、肥満・言語発達の遅れ・注意力の低下・睡眠障害・視力低下(近視の進行)・不安やうつなどと関連することが示されました。委員会はスマートフォンは13歳以降、SNSは14〜18歳以降に制限することなどを推奨しています。
乳児期の運動能力は就学前の実行機能を予測する:睡眠の媒介効果
北京の乳幼児255人を生後6か月から3歳まで追跡した研究で、乳児期の運動能力が就学前の実行機能(計画・抑制・注意)と関係するかを調べました。生後6か月・1歳時の運動スキルが高いほど、3歳時の実行機能が優れており、この関係は2歳時の認知能力を介していることが示されました。また、睡眠が多く質が良い子ほど、認知能力から実行機能への橋渡し効果が大きい傾向がありました。