父親が子どもの肥満の世代間連鎖に果たす役割
The Role of Fathers in the Intergenerational Transmission of Obesity.
どんな研究?
01 — Summary父親の肥満が子どもの肥満リスクに与える影響をまとめたナラティブレビューです。父親の肥満は精子のエピゲノム変化を通じて生物学的に、また食事の質・身体活動・育て方を通じて行動的に、子どもの代謝健康や肥満リスクと関連する可能性があります。さらに、食料不安や近隣環境など社会的要因も父親を通じた家族全体のリスクに影響すると示唆されています。
要点
02 — Key points- 01父親の肥満は精子のエピゲノム変化を介して子どもの代謝に影響する可能性がある
- 02父親の食事・運動・育児スタイルが子どもの食行動や活動量に直接影響する
- 03妊娠前のカウンセリングや父親を含む肥満予防プログラムの重要性が示唆されている
ナラティブレビューであり系統的な文献評価を行っていない。エピゲノムへの影響を示す研究の多くは動物実験であり、ヒトへの直接適用には限界がある。因果関係と相関関係の区別が難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Current obesity reports
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1007/s13679-026-00720-9
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生涯を通じた環境化学物質へのばく露と肥満:ヒト生体モニタリング研究のレビュー
ビスフェノールA(BPA)、フタル酸エステル類、残留性有機汚染物質(POPs)などの環境化学物質への曝露と肥満の関連を、ヒトの血液・尿を用いた疫学研究106件でまとめたレビューです。BPA・DDE(農薬由来)・PFOA(フッ素系化合物)は肥満との正の関連が比較的一貫して示されていましたが、フタル酸類やその他のPOPsの結果は研究によって異なっていました。
PFAS(有機フッ素化合物)への曝露と、子どもの肥満(システマティックレビュー・メタアナリシス)
PFAS(水や食品を通じて取り込まれることがある「有機フッ素化合物」)への曝露と、子どもの肥満との関係を、24件の研究(うち19件はコホート)からまとめたメタアナリシスです。妊娠中の主な4種類のPFAS曝露と、子どものBMIや腹囲の変化との間に、統計的にはっきりした関連は見られませんでした。
糖尿病の母親から生まれた子どもの肥満・血糖の問題(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中に血糖が高かった母親(妊娠糖尿病や1型・2型糖尿病)から生まれた子どもが、その後に太りやすかったり血糖の調節に問題が出やすかったりするかを、20件の観察研究(子ども約2万6千人)をまとめて調べた研究です。妊娠糖尿病の母親の子どもは、子ども時代のBMI(体格の指標)がやや高めの傾向がありました。母親の妊娠中の血糖管理が、子どもの将来の体格や代謝にも関わる可能性を示しています。