2歳時のM-CHAT-R中リスクは、入園時の幅広い発達課題と関連する:フランスELFEコホート
Children Classified as Medium-Risk by the M-CHAT-R at Age Two Years Have an Increased Likelihood of Subtle but Widespread Developmental Challenges at Preschool Entry: Results From the French National Birth Cohort ELFE
どんな研究?
01 — Summaryフランスの全国出生コホート(ELFE)から約1万人のデータを使い、2歳時に自閉症スクリーニング(M-CHAT-R)で「中リスク」と分類された子どもたちを3〜4歳時点で追跡しました。中リスクの子どもは、低リスクの子どもと比べて発達遅滞の割合が約2倍(16.6% vs 6.1%)で、認知・言語スコアも低い傾向がありました。一方、登園状況などの学校生活はほぼ同じでした。
要点
02 — Key points- 01M-CHAT-R中リスクの子どもは低リスクと比べ、入園時の発達遅滞リスクが約2.2倍
- 02認知・言語スコアは最大0.4SD低く、幅広い発達領域に軽度の差が見られた
- 03大半の子どもは登園でき、学校生活の困難は低リスクと大きく変わらなかった
観察研究であり、関連であって因果関係ではありません。スクリーニング結果が養育者・支援の変化を通じて発達に影響する可能性(逆因果)も排除できません。フランスの制度環境は日本と異なります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Journal of Autism and Developmental Disorders
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1007/s10803-026-07402-4
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedコロナ前・禍中・禍後における子どもの言語・社会情緒発達:オランダYOUthコホートより
生後5か月〜4歳の子ども2,166人を対象に、コロナ前(2015〜2020年)・禍中(2020〜2022年)・禍後(2022〜2023年)に分けて言語・社会情緒発達を比べた大規模コホート研究(オランダ)です。禍中の子どもは語彙や社会情緒の発達スコアが低い傾向がみられましたが、禍後には一部の指標で回復がみられました。コロナ禍の社会的制限が幼児期の発達に影響を及ぼした可能性を示しています。
兄・姉がいることは言語発達に影響するか:日本での研究
浜松母と子の出生コホート(HBC)の4〜5歳の子ども755人のデータを使い、上の兄弟・姉妹がいることが言語発達(言語IQ)に影響するかを調べた研究です。先行研究(フランス・シンガポール)と同様に、日本でも兄や姉がいる第二子以降の子どもは、きょうだいのいない第一子と比べて言語IQが低い傾向がありました。親の言語かけかけよりも、きょうだい間の相互作用が影響している可能性が示唆されています。
幼児のテクノロジー使用に関する保護者と医療専門家の認識を評価するアンケートの体系的レビュー
2010〜2024年に発表された0〜5歳の子どものテクノロジー使用に関する保護者の認識を調べた研究85件をレビューしました。保護者はデジタル機器の学習面でのメリットを認めつつも、子どもの身体的健康・感情・行動への悪影響を懸念していました。調査に使われた質問票の多くは信頼性・妥当性の検証が不十分であり、今後はより精度の高いツールの開発が求められます。