母親の食事と離乳食の多様性がアレルギー予防に与える影響
Maternal diet and complementary food diversity on allergy prevention
どんな研究?
01 — Summary妊娠・授乳中の母親の食事や乳幼児期の離乳食の多様性が、アレルギー予防にどう関わるかを概説したレビューです。特定の栄養素の摂取制限(除去食)はアレルギー予防に効果がなく、むしろ妊娠中・乳幼児期の食事の多様性がアレルギーリスクを下げる可能性があるとしています。アレルゲン回避より早期の多様な食品導入が重要との方向性を示しています。
要点
02 — Key points- 01妊娠中・授乳中の除去食(アレルゲン回避)はアレルギー予防に効果がないとされる
- 02離乳食期の食品多様性(多くの食品グループを食べること)がアレルギーリスクを下げる可能性がある
- 03特定の栄養素より食事全体のパターンと多様性が重要
ナラティブレビューのため、エビデンスの体系的な評価ではない。観察研究が中心で因果関係の確立は難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- BMJ Nutrition Prevention & Health
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1136/bmjnph-2023-000675
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中・授乳中の母親の食事と、子どもの食物アレルギー・アトピー(システマティックレビュー)
米国政府プロジェクトの一環として、妊娠中・授乳中の母親の食事と、子どもの食物アレルギーやアトピー性の病気との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中に牛乳などのアレルゲンになりうる食品を控える・制限することが、子どものアレルギーを減らすかどうかは、結論を出せるだけの十分な根拠がない(評価不能)と整理されました。
乳幼児のアトピー疾患発症に対する早期栄養介入の効果:母親の除去食・母乳育児・離乳食導入時期・加水分解ミルクの役割
妊娠中・授乳中の母親の食事制限はアトピー疾患(湿疹・ぜんそく・食物アレルギー)の予防に役立たないことが示されています。一方、少なくとも生後4か月間の母乳育児は、牛乳タンパク質ベースのミルクと比べてアトピー性皮膚炎・牛乳アレルギー・喘鳴の発症を遅らせるまたは予防する効果があります。アレルギー高リスク児で母乳育児ができない場合は、加水分解ミルクが通常ミルクよりもアトピー発症を遅らせる可能性があります。
S3ガイドライン:アレルギー予防(ドイツ2022年改訂版)
ドイツのS3ガイドライン(2022年改訂)では、286件の研究を系統的に検索・評価し、妊娠・授乳中の食事、乳児期の栄養介入に関するアレルギー予防推奨をまとめています。離乳食でのアレルゲン早期導入(特に卵・ピーナッツ)がアレルギー予防に最も有望とされ、加水分解乳や除去食による予防は推奨されなくなりました。授乳そのものは多くの健康上の利点があるため引き続き推奨されます。