新型コロナウイルスパンデミック後の子どもの体力の変化:後ろ向き研究
Changes in Children's Physical Fitness Following the COVID-19 Pandemic: A Retrospective Study
どんな研究?
01 — Summary大阪府の小学校で、新型コロナ禍前(2014年)と後(2022〜2023年)の3〜4年生438人の体力測定結果を比較した後ろ向き研究です。体幹前屈と50m走を除くほぼ全ての体力テスト項目で、コロナ後の子どもの成績が有意に低下していました。学校閉鎖と活動制限による身体活動の機会減少が体力低下に関係している可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍後の小学生は、2014年と比べてシャトルラン・反復横とびなど多くの体力項目で成績が有意に低下
- 02体幹前屈と50m走はコロナ前後で差がなかった
- 03学校閉鎖・活動制限による身体活動減少が体力低下に関連した可能性が示唆された
後ろ向き研究であり、コロナ以外の要因(世代差・学校のカリキュラム変更など)の影響を排除できない。単一校区の子どもが対象で一般化に限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 後ろ向き比較研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Iranian Journal of Pediatrics
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.5812/ijpediatr-158617
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related5〜10歳児の身体活動・体力・運動能力の関係:システマティックレビュー
2020〜2025年に発表された13件の観察研究(5〜10歳の子ども対象)をもとに、身体活動・体力・運動能力の3つの関係を整理しました。運動能力が高い子どもは身体活動量が多く体力も高い傾向があり、特に客観的指標で測定した研究でこの関連が明確でした。ただし研究の質や方法にばらつきがあり、エビデンスの確実性は「低〜中程度」と評価されています。
徒歩通学と身体活動・体力の関連:岡山県の小学生を対象とした研究
岡山県の小学生249人を対象に、徒歩通学の時間と身体活動量・体力の関係を加速度計と体力テストで調べました。徒歩通学時間が長いほど、登下校の時間帯や1日全体の歩数・中高強度身体活動量が多い傾向がありました。特に女子では、徒歩通学時間が長いほど体力テストの一部(反復横跳び・20mシャトルラン・立ち幅跳び)の成績が高い傾向がみられました。
日本の小学生の体力を左右する要因:横断研究
日本の小学生2,308人(10〜12歳)を対象に、身体活動・スクリーンタイム・食事・睡眠などの生活習慣と体力の関連を調べた横断研究です。日常的な運動習慣のある子は体力が高い傾向があり、スクリーンタイムの長さや朝食の欠食は持久力(20mシャトルラン)の低さと関連していました。BMIが高いことも体力の低さと関連する傾向がありました。