乳児期の腸内細菌叢と自閉スペクトラム症(ASD)の後の診断との関連を探る
118 Exploring the link between the gut microbiome in babies and later development of autism spectrum disorder
どんな研究?
01 — SummaryASDリスクの高い乳児を追跡するMARBLES研究の一部として、乳児期の腸内細菌叢の変化がASD診断と関係するかを調べたパイロット的検討です。生後早期の腸内細菌の構成パターンとその後のASD診断との関連が探索されましたが、この抄録は要旨・予備的報告の段階であり、結論は限定的です。
要点
02 — Key points- 01ASDリスクが高い乳児群(MARBLES研究)を対象に、乳児期の腸内細菌叢とASD診断の関連を探索した
- 02乳児期の特定の腸内細菌の変化がASD発症に先行する可能性が示唆された
- 03予備的・探索的な段階であり、確定的な結論は得られていない
要旨段階の予備報告であり、詳細な方法論・サンプルサイズ・結果の信頼区間が不明。観察研究の関連であり因果関係は示せない。ASDリスクの高い家族を対象としており、一般集団への外挿は困難。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究(予備報告)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Journal of Clinical and Translational Science
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1017/cts.2026.10332
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の腸内細菌と発達障害:システマティックレビューとメタアナリシス
乳幼児期の腸内細菌(マイクロバイオーム)と、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達の特性との関係を調べた19件の研究をまとめた解析です。多くの研究で、腸内細菌のバランスの乱れと発達の特性との間に一定の関連が見られたと報告しています。たとえばASDではビフィズス菌が少なく特定の菌が多い傾向など、菌の種類ごとの違いが指摘されています。ただし含まれた研究の質はばらつきがあり、結論は確定的ではありません。
早期乳児期の腸内細菌叢と自閉スペクトラム症発症との関連:MARBLESコホート研究
自閉症のリスクが高い家族の子ども(ASDの兄弟がいる)を追跡したMARBLESコホートで、生後0〜7か月の便サンプルから腸内細菌叢を解析し、36か月時点のASD診断との関連を調べました。全体的に菌の多様性(α・β多様性)や特定の菌の量に有意差はなく、ASDリスクと腸内細菌叢の関連は混在した結果でした。補正前ではVeillonellaやFlavonifractorの減少がASD発症と関連しましたが、多重比較補正後は有意ではありませんでした。
生後2年間のビタミンD補給と6〜8歳時の自閉スペクトラム傾向:ランダム化臨床試験
フィンランドの乳児を対象にした二重盲検RCTの二次解析で、生後2週〜2歳の間に通常量(400IU)または高用量(1200IU)のビタミンD3を補給した366人の子どもを、6〜8歳時に自閉スペクトラム傾向のスクリーニング票で評価しました。全体では補給量と自閉スペクトラム傾向に関連は見られませんでしたが、男の子に限った解析では、早期の25(OH)D(ビタミンD)濃度が高いほど傾向スコアがわずかに低い可能性が示されました。ただしこれは補助的な解析の結果であり、因果関係は確認されていません。