ADHD家族歴を持つ乳児への視線ベース注意訓練介入のRCT:2〜3年後の追跡結果
Randomised Controlled Trial of Gaze-Based Attention Training Intervention for Infants With a Family History of Attention Deficit Hyperactivity Disorder: Follow-up Outcomes at 2 and 3 Years.
どんな研究?
01 — SummaryADHDの家族歴を持つ9〜16か月の乳児を対象に、コンピューター視線追跡を使った注意訓練の効果をRCTで検討した追跡研究です。2〜3歳時点での追跡評価では、介入群と対照群でADHD行動や注意に有意な差は見られませんでした。ただし、一部の行動指標では介入群にわずかなプラスの傾向が観察され、今後の研究の余地が示されています。
要点
02 — Key points- 01介入群と対照群(計43人)で、2〜3歳時点のADHD行動評価(一次アウトカム)に有意差はなかった
- 02親評価の抑制力や注意の複合スコアでは介入群に小さなプラス傾向が見られたが統計的に有意ではなかった
- 03乳児期からの早期介入試験の実施可能性は示されたが、この訓練がADHD予防に有効かどうかはまだ結論が出ていない
サンプル数が少なく(介入群20人、対照群23人)、統計的検出力が不十分。単一のRCTであり、結果の一般化には慎重さが必要。追跡率や研究脱落の影響も考慮が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験(追跡研究)
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Apollo (University of Cambridge)
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.17863/cam.130207
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related神経線維腫症1型の乳児における注意力の低下と、その後のADHD特性との関連
ADHDや自閉症・神経線維腫症1型(NF1)の家族歴をもつ乳児を対象に、10か月・14か月時点の注意力を評価した前向き研究です。NF1をもつ乳児は、他のグループと比べて注意力(集中した注意)が有意に低く、この傾向は月齢とともに変化しませんでした。10か月時点での注意力の低さは、3歳時のADHD特性の多さと関連していました。
乳児期の自閉スペクトラム症前駆症状への早期介入の実現可能性と予備的有効性
自閉スペクトラム症(ASD)の早期サインがある15か月未満の乳児30人を対象に、保護者が週1回テレヘルス(オンライン)で行う発達支援プログラム(FIRRST)を6か月間実施したパイロット研究です。プログラムを完了した28人では、保護者の関わり方のスキルが向上し、ASD症状スコアの改善と発達指標の向上が観察されました。ただし比較対照群がなく、効果の解釈には慎重さが必要です。
ADHD児の実行機能に対するさまざまな運動・身体活動介入の効果:スコーピングレビュー
ADHDと診断された6〜12歳の子どもを対象にした55件の介入研究(計3863名)を統合したスコーピングレビューです。水泳やサッカーなどの構造化スポーツや、認知課題を組み合わせた運動(エクサゲームを含む)が、抑制制御・ワーキングメモリ・認知的柔軟性の改善と関連していました。運動の強度・時間・認知的な要素が介入の効果に影響する可能性が示唆されています。