完全母乳の乳児におけるビタミンDサプリメントの有効性に関する縦断的研究
Longitudinal study on the effectiveness of vitamin D supplements in exclusively breast-fed infants
どんな研究?
01 — Summary日本の病院で生まれた乳児を対象に、完全母乳で育てた場合のビタミンD不足とサプリメント補充の効果を調べた研究です。完全母乳の乳児は生後5か月まで25(OH)D(ビタミンDの指標)が十分な値に達しないことが多く、全員が生後すぐからビタミンD不足でした。生後1か月から毎日4.0μgのビタミンDを補充したグループでは、93%が生後5か月までに十分な値に達しました。
要点
02 — Key points- 01完全母乳の乳児は生後5か月まで全員ビタミンD不足だった
- 02生後1か月から毎日ビタミンDを補充すると、93%が生後5か月までに十分量に達した
- 03人工乳の乳児は完全母乳の乳児より早くビタミンD不足が解消された
単施設・小規模(71人)の研究であり、因果関係の解釈や一般化には限界がある。観察研究的な側面もあり、補充群への割り当ては厳密なランダム化ではない可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断的観察研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Clinical Pediatric Endocrinology
- 発表年
- 2017
- DOI
- 10.1297/cpe.26.215
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児早期の週1回ビタミンD補充はビタミンD不足予防に有効か:2施設後方視的研究
日本の2施設で1か月齢の乳児555人を調査したところ、ビタミンDを補充しなかった群では89%がビタミンD不足でしたが、週1回1,000IU補充した群では不足率が20%に低下し、毎日240IU補充した群(26%)と同等の効果が得られました。過剰摂取の事例はありませんでした。日本にはビタミンD補充に関する全国ガイドラインがなく、本研究はビタミンK同様に週1回の投与が実用的な選択肢になりうることを示しています。
母乳育児推進が子どもの健康に与える因果効果:栄養の役割の解明
長期にわたる完全母乳育児を推進した大規模ランダム化比較試験(PROBIT試験)のデータを用いて、母乳育児促進が子どもの成長に与える効果を分析した研究です。介入群の乳児は母乳を多く飲み、水分・果汁などの摂取が減ったことでカロリー密度の高い食事になり、体重増加が乳児期から青年期まで持続しました。この研究では、体重増加の主な要因はカロリー摂取量の増加であり、感染症の減少による寄与は小さいと結論づけています。
臍帯血のビタミンA・D濃度と完全母乳育児の乳児の身体成長(0〜6ヶ月)との関連
140組の母子を対象に、臍帯血(生まれたときの血液)のビタミンAおよびDの濃度と、完全母乳育児の赤ちゃんの0〜6ヶ月の身体発育の関連を調べました。臍帯血ビタミンA濃度が高いと3〜6ヶ月での頭囲の伸びと正の関連が見られました。ビタミンDが高いと体重増加(BMI)と正の関連がある一方、身長の伸びとは負の関連が観察されました。