タンパク質2.2g/100kcalの新組成人工乳で育てた正期産児の成長:観察フォローアップ研究
Growth of term infants fed a commercial infant formula with a protein content of 2.2 g/100 kcal: an observational follow-up study
どんな研究?
01 — Summaryタンパク質含量を2.2g/100kcalに低下させ、アラキドン酸を増量した新組成人工乳(フォーミュラA)で育てた乳児99人の成長を、母乳育児の295人と比較しました。体重・BMI・頭囲はいずれも母乳育児群と同程度で、便の硬さや感染症・アレルギーの発生率にも差はありませんでした。12か月のフォローアップで、新組成人工乳での成長は適切であることが確認されました。
要点
02 — Key points- 01新組成人工乳(タンパク質2.2g/100kcal)で育てた乳児の体重・BMI・頭囲は母乳育児と同程度だった
- 02便性状や感染症・アレルギーの発生率にも2群間で有意差はなかった
- 0312か月間の成長追跡で、新組成人工乳は栄養的に適切と考えられた
観察研究であり授乳方法の選択に交絡がある。人工乳群と母乳群では母親の教育歴・社会経済的背景などが異なる可能性がある。製品比較研究として製造企業の関与がある点に留意。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向き観察フォローアップ研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Bioscience Biotechnology and Biochemistry
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.1080/09168451.2019.1689096
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳リン脂質コーティング脂肪球を含む人工乳が健康な正期産児の体組成に与える影響
母乳の脂肪球に近い構造を持つ「コンセプト乳」(乳リン脂質コーティング大型脂肪球)と通常の調製乳を比較したランダム化比較試験(生後6か月まで)で、その後2歳まで体組成を追跡しました。コンセプト乳と通常乳の間では体脂肪率など体組成の変化に有意差はみられませんでした。一方、母乳育児群と比べると人工乳群はいずれも内臓脂肪が多く脂肪分比率は低い傾向がありました。
授乳方法(母乳・人工乳)と生後6か月の乳児の体格・体組成との関係
生後1か月までの授乳方法が確認された259人の乳児を生後6か月時点で追跡し、体格と体組成(DXA法)を比較しました。共変量を調整した結果、母乳育児の児は人工乳育児の児より除脂肪体重が低く、体脂肪率と体幹脂肪が高い傾向にありました。ただし体重・身長・体重対身長には有意差がなく、どちらの授乳方法でも乳児は標準的に成長していました。
妊娠糖尿病と母乳オリゴ糖の濃度、乳児の体重増加・腸内細菌叢との関連
妊娠糖尿病(GDM)をもつ母親の母乳に含まれるオリゴ糖(HMO)の濃度が、GDMのない母親と異なるかどうか、またそのHMOが乳児の発育や腸内細菌叢と関係するかを調べた観察研究です。GDMの母親では特定のHMO(6'SLやLNFP III)が高く、6'SLは乳児の体重・身長の増加とも関連していました。ただし、このHMOが腸内細菌叢を介して乳児の成長に影響しているという証拠は得られませんでした。