肥満の子どもは思春期の身長の伸びが小さい:思春期のタイミングによらない影響
Reduced pubertal growth in children with obesity regardless of pubertal timing
どんな研究?
01 — Summary秋田県生まれの約1万3千人を7〜17歳まで追跡した研究で、7歳時点で肥満だった子どもは、思春期(身長の急成長期)の伸びが標準体重の子どもより有意に小さいことが示されました。この影響は思春期が早い・遅いに関わらず同様にみられました。幼児期・学童期の肥満は思春期の身長の伸びに影響する可能性があります。
要点
02 — Key points- 017歳時点で肥満だった子どもは思春期の身長の伸びが、標準体重の子どもより男児で0.87、女児で0.85 SDSほど小さかった
- 02この差の約60〜70%は、思春期のタイミング(早い・遅い)によらない直接的な影響だった
- 03小児肥満は思春期の成長に不利に働く可能性がある
観察コホートであり、肥満が身長の伸びを減らすという因果関係を直接示すものではない。1975〜76年生まれのデータであり、現代の子どもとは生活環境が異なる可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(後ろ向き)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Endocrine Journal
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.1507/endocrj.ej19-0359
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related帝王切開と17歳時の肥満との関連:英国ミレニアムコホート研究
英国の8,880組の母子データを用いて、帝王切開(計画的・緊急含む)と誘発分娩が、17歳時の子どものBMIや体脂肪率と関連するか調べました。帝王切開で生まれた子どもは、経腟分娩の子どもと比べ、17歳時のBMIや体脂肪率に有意な差はありませんでした。過去に報告された関連は、測定していない交絡因子によって説明される可能性があります。
妊娠前の母親の体重と幼児期の体重は思春期の肥満と関係する:日本の人口ベースコホート研究
日本の子ども約1,600人を15歳まで追跡した研究で、3歳時点での過体重・肥満と、母親の妊娠前肥満が、15歳での肥満リスクと関係することが示されました。一方、出生体重と15歳時の肥満との間には明確な関連はみられませんでした。幼児期の体重管理と母親の体格が、思春期の肥満に影響する可能性があります。
母乳育児・子どものBMI・思春期の始まりの関係(前向きコホート研究)
母乳で育てた期間と、子どもの体格(BMI)や思春期が始まる時期との関係を、613人の子どもの身長の伸び方を追って調べました。母乳の期間が長いことは思春期が遅めに始まることと関連し、その関係に思春期前のBMIが関わっている可能性が検討されました。思春期が早く始まることは、将来の体の健康のリスク要因とされています。