妊娠中・産後の母親の心のつらさの積み重ねと、子どものアトピー性皮膚炎(東北メディカル・メガバンクの三世代コホート)
Cumulative exposure to maternal psychological distress in the prenatal and postnatal periods and atopic dermatitis in children: findings from the TMM BirThree Cohort Study
どんな研究?
01 — Summary妊娠中と産後の両方で母親が心のつらさ(心理的苦痛)を抱えることが、子どものアトピー性皮膚炎の発症と関係するかを、日本の三世代コホート8377組で調べた研究です。1歳時点でアトピー性皮膚炎のなかった子どものうち、母親が妊娠中・産後の両方でつらさを抱えていた場合に、2歳での発症がみられやすい傾向がありました。
要点
02 — Key points- 01日本の三世代コホート8377組を分析した研究
- 021歳でアトピーのなかった子を2歳まで追跡
- 03母親が妊娠中・産後の両方で心のつらさを抱えると発症がみられやすい傾向
- 04母親の心の健康への切れ目ない支援の大切さを示唆
観察研究のため、母親の心のつらさが皮膚炎を直接引き起こすとは言えません。遺伝や生活環境など共通の要因も関わります。皮膚炎は質問票で評価されています。心のつらさは誰にでも起こりうるもので、支援につながることが大切です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- BMC Pregnancy and Childbirth
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.1186/s12884-022-04556-8
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の睡眠に関する教育は、産前産後のうつを防ぐ?(システマティックレビュー)
妊娠中に、母親や赤ちゃんの睡眠を整えるための教育的なはたらきかけ(睡眠の知識やコツの提供)が、産前産後のうつの予防に役立つかを調べたシステマティックレビューです。条件に合う質の高い試験は2件しか見つからず、効果を結論づけるには証拠が不十分でした。睡眠と心の健康のつながりに注目した取り組みとして、今後の研究が期待されます。
妊娠中・分娩時の抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や分娩時にお母さんが使った抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を、複数の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。現時点の証拠では、妊娠中・分娩時の抗菌薬の使用と子どもの湿疹の増加との関連は支持されませんでした。ただし研究間のばらつきが大きく、確実性は非常に低いと評価されています。
分娩時の予防的抗菌薬と子どもの健康(観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
B群溶連菌(GBS)の予防のために分娩中に抗菌薬を使った母親と、使わなかった母親の子どもを比べた観察研究をまとめたメタアナリシスです。16件の研究を統合した結果、分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連の病気のリスクの高さと関連し、特にアトピー性皮膚炎で関連が目立ちました。子どものBMIはわずかに高めでしたが、乳児の腸内細菌の多様性には差がみられませんでした。