妊娠中の身体活動・睡眠習慣と子どもの自閉スペクトラム症との関連——JECSコホート研究
Association of physical activity and sleep habits during pregnancy with autistic spectrum disorder in 3-year-old infants
どんな研究?
01 — Summary日本の大規模コホート研究(約7万人)で、妊娠中の身体活動量・睡眠時間が、子どもの3歳時の自閉スペクトラム症(ASD)と関連するかを調べました。妊娠中に活動量が多かったお母さんほど、子どものASD診断リスクが低い傾向がみられました(最も活発なグループでリスク比0.61)。また、妊娠中の睡眠が短すぎても(6時間未満)長すぎても(10時間超)、ASDリスクが高い傾向がありました。妊娠前の活動量・睡眠との関連は確認されませんでした。
要点
02 — Key points- 01妊娠中の身体活動量が多いと子どものASDリスクがやや低い傾向(最高活動群でRR 0.61)
- 02妊娠中の睡眠が6時間未満または10時間超の場合、7〜8時間の群と比べASDリスクがやや高かった
- 03妊娠前の活動量・睡眠時間ではこれらの関連はみられなかった
観察研究であり、因果関係は示されていません。妊娠中の身体活動や睡眠の変化が、ASDとは別の要因(例:母体の健康状態)を反映している可能性があります。3歳時のASD診断のため、見落としがある可能性もあります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(前向き)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Communications Medicine
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.1038/s43856-022-00101-y
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠糖尿病と子どもの自閉スペクトラム症リスク:人口ベースの後ろ向きコホート研究
妊娠糖尿病(GDM)の有無と重症度によって、子どもの自閉スペクトラム症(ASD)の発症率に違いがあるかを調べました。11万5000件以上の分娩データを解析したところ、交絡因子を調整しない単変量解析ではGDMの重症度が高いほどASD発症率も高い傾向が見られましたが、交絡因子を補正した多変量モデルでは統計的に有意な関連は認められませんでした。この研究は、妊娠糖尿病そのものが子どものASDの直接の原因とは言い切れない可能性を示しています。
妊娠前・妊娠中の身体活動が1歳児の睡眠と神経発達に与える影響
日本の大規模出生コホート(約10万人)を用いて、母親の妊娠前・妊娠中の運動量と1歳児の睡眠・発達の関係を調べました。運動量が多い母親の子どもは、夜22時以降の就寝や発達のスクリーニングで問題を示す割合が低い傾向がありました。この関連は妊娠前・妊娠中のいずれの運動でも認められました。
妊娠前・妊娠中の運動量と、幼い子どもの発達との関係(エコチル調査)
日本のエコチル調査のデータ約3万8千組の親子を使い、お母さんの妊娠前と妊娠中の運動量が、子どもの発達とどう関係するかを調べました。子どもの発達は、生後6か月から3歳まで半年ごとに、コミュニケーションや運動などの面を質問票で評価しました。