早期神経発達の問題と回避・制限性食物摂取症(ARFID)リスクの関連:日本の出生コホート研究
Early neurodevelopmental problems and risk for avoidant/restrictive food intake disorder (ARFID) in 4‐7‐year‐old children: A Japanese birth cohort study
どんな研究?
01 — Summary高知県で生まれた子ども3728人を追跡し、生後0.5〜3歳の神経発達の問題と4〜7歳での回避・制限性食物摂取症(ARFID)リスクとの関係を調べました。早期の神経発達に問題がある子どもは、そうでない子どもに比べてARFIDと診断される可能性が有意に高いことが示されました。ARFIDは単なる偏食とは異なる臨床的な食の障害です。
要点
02 — Key points- 01早期の神経発達の問題(発達の遅れなど)がARFIDの有意なリスク因子として示された
- 02日本の出生コホート3728人の前向きデータを使用
- 03ARFIDは自閉スペクトラム症などの神経発達障害と重なりやすいことが示唆された
ARFIDの評価が親の報告に基づいており、臨床診断との一致性に限界がある。コホートが高知県1県に限られ代表性に制約がある。観察研究のため因果関係は示せない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向き出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Journal of Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.1002/jcv2.12094
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related超早産児への高用量DHA経腸投与と神経発達:システマティックレビュー・メタアナリシス
29週以下で生まれた超早産児を対象に、高用量のDHA(ドコサヘキサエン酸)を経腸投与したRCT3件(計2,028人)をまとめたメタアナリシスでは、認知スコア全体への明確な改善効果は認められませんでした。ただし、大規模な1試験では5歳時点でわずかに高い認知スコアが確認され、軽度の運動・認知障害リスクの低下も示されました。否定的な影響はなかったと報告されています。
早産児の母乳育児と神経発達のアウトカム:システマティックレビューとメタアナリシス
早産で生まれた赤ちゃんを対象に、母乳育児がその後の神経発達とどう関わるかを調べた研究をまとめたものです。16件(うちランダム化比較試験は1件、残りはコホート研究)を解析した結果、母乳をあげた群は、まったくあげなかった群に比べて、長期的な認知の得点が高い傾向や、発達の遅れのリスクが低い傾向がみられました。一方で、運動の発達への影響ははっきりせず、また母乳と母乳ドナーミルクのどちらが優れているかも明確ではありませんでした。
妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)
米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。