乳児期の概日睡眠・覚醒リズムの乱れが、自閉スペクトラム症の発症を予告する可能性
Disruption of Circadian Sleep/Wake Rhythms in Infants May Herald Future Development of Autism Spectrum Disorder
どんな研究?
01 — SummaryASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた子ども160人と定型発達の子ども145人の親に遡及的に行った質問紙調査です。ASD群では乳児期の就寝時刻が遅くなりやすく、寝つきが不規則だったと報告する割合が高く、睡眠・覚醒リズムの乱れがASD発症の早期サインである可能性が示唆されました。
要点
02 — Key points- 01ASD群の親は、乳児期に就寝時刻が遅く・不規則だったと定型発達群より多く報告した
- 02乳児期の睡眠・覚醒リズムの乱れがASDの早期サインになる可能性がある
- 03ASD群では週末と平日で起床時刻のずれが大きい傾向も見られた
後ろ向き(回顧的)な質問紙調査であり、親の記憶に依存するため回想バイアスがあります。関連であり因果関係は言えません。ASDと睡眠リズム乱れはどちらが先かは不明です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的観察研究(後ろ向き)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Clocks & Sleep
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.3390/clockssleep6010012
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related自閉スペクトラム症の子ども・青少年における睡眠障害の有病率と関連因子:メタアナリシス・系統的レビュー
自閉スペクトラム症(ASD)の子ども・青少年3,771人を対象とした22の研究をまとめたレビューです。ASDの子どもの約60%に睡眠障害がみられることが示されました。睡眠障害と関連する要因として、低年齢、添い寝、スクリーン使用時間、家族の機能不全、自閉症の重症度、行動上の問題などが特定されました。
胎児の眼球運動の密度と3歳時の発達上の問題との関連
妊娠34〜36週の胎児の眼球運動の頻度(密度)を計測し、3歳時の発達との関連を調べた縦断研究です(77名の妊婦のうち完全追跡41例)。眼球運動の密度が高い胎児では3歳時の言語理解・表出が良好な傾向があり、逆に密度が低い場合は反復行動スコアが高く、自閉的特性の可能性が示唆されました。ただし対象数が少なく、胎児の眼球運動計測は専門的な検査が必要なため、現時点では研究段階の知見です。
自閉スペクトラム症の子どもにおける乳児期の睡眠特性:オーストラリア出生コホート研究
1000組を超える親子を11年以上追跡した研究で、生後6か月時点の夜間睡眠時間が短い赤ちゃんは、その後の自閉スペクトラム症(ASD)の特性が多く、ASD診断のリスクが高い傾向がありました。生後12か月時点の寝つきの悪さ(入眠潜時が長い)も同様にASD特性と関連していました。ただし、睡眠の問題がASDの原因なのか、共通する要因があるのかは不明です。