コロナ禍によるイタリアの子どもの身体活動・座り時間の変化:EPaS-ISS研究
Changes in physical activity and sedentary behaviours of children living in Italy due to the COVID-19 pandemic: the EPaS-ISS study
どんな研究?
01 — Summaryイタリアの8〜9歳の子ども約4,900人の保護者を対象に、コロナ禍前後で子どもの身体活動と座り時間がどう変わったかをウェブ調査で調べました。コロナ禍では子どもの44%が外での活動的な遊びを減らし、52.7%が平日のスクリーン使用時間(非学習目的)を増やしたと報告されました。屋外スペースのない家庭の子どもは特に座り時間が増加するリスクが高く(約2倍)、居住環境が子どもの活動量に影響することが示されました。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍で44%の子どもが外での能動的な遊び時間を減らし、52.7%が平日の非学習目的スクリーン時間を増やした
- 02屋外スペースのない家庭の子どもは座り時間増加のリスクが約2倍(OR: 2.14)
- 03保護者の教育水準が高い家庭でも座り時間が増加するリスクが高かった(OR: 3.32)
保護者の自己報告によるデータであり、行動の変化を客観的に測定したものではない。コロナ禍という特殊状況下のデータであり、通常時への一般化には注意が必要。イタリアのクラスターサンプルであり他国への直接の一般化には限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的観察研究(保護者ウェブ調査)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Archives of Public Health
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1186/s13690-025-01701-5
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子どもと青少年における活発な外遊びと健康の関連:アンブレラレビュー
6つのシステマティックレビューを統合したアンブレラレビューで、子ども・青少年を対象とした研究では、活発な外遊びが身体的健康・社会的健康・精神的健康のいずれとも好ましい方向で関連していました。特に精神的健康については全年齢で71%の研究が肯定的な関連を示しており、外遊びが子どもの多面的な健康に役立つ可能性が示唆されています。ただし、因果関係についての証拠は部分的にとどまります。
幼児期のスクリーン使用時間の推移と5歳時の身体活動量の関係:コロナ禍のコホート研究
カナダの幼児315人を3.5歳から5.5歳まで縦断的に追跡し、スクリーン使用時間のパターンと5.5歳時点の身体活動量(加速度計で計測)の関係を調べました。スクリーン使用時間が多いグループ(1日平均約6.4時間)の子どもは、平均的なグループと比べて軽強度の身体活動が有意に少ない傾向がありました。ただし、中〜高強度の運動量には有意な差はみられませんでした。幼児期の長時間スクリーン使用は、軽い動きを含む日常的な活発さを下げる可能性があります。
幼児のスクリーンタイムと神経発達の関連を和らげる要因としての外遊び
日本の出生コホート研究(885人)で、2歳時のスクリーンタイムが4歳時の発達と関係するか、そして外遊びがその関係を和らげるかを調べた研究です。1日1時間超のスクリーンタイムは4歳時のコミュニケーション・日常生活スキルの低下と関連していました。日常生活スキルへの影響は、週6〜7日の外遊びをすることで部分的に緩和されていましたが、コミュニケーションへの影響は外遊びとは関係がありませんでした。