子どもの感情・行動の調節困難(ディスレギュレーション・プロファイル)の早期予測因子:システマティックレビュー
Early Predictors of the Childhood Dysregulation Profile: A Systematic Review
どんな研究?
01 — Summary感情・行動・思考のコントロールが難しい状態(「ディスレギュレーション・プロファイル」)の子どもに関する12件の研究をまとめたレビューによると、親のメンタルヘルスの問題、妊娠中の薬物使用、社会的な逆境などの家庭要因が関連していました。子ども側の要因としては、男の子、気質が難しい、乳児期の泣き過ぎ・睡眠の問題・授乳の問題が関連していた傾向があります。
要点
02 — Key points- 01親のメンタルヘルス問題・低い教育歴・妊娠中の薬物使用・社会的逆境が子どもの調節困難と関連
- 02男の子、気質が難しい子、乳児期の調節問題(過度な泣き・睡眠・授乳の困難)があった子でリスクが高い傾向
- 03低出生体重・在胎週数の影響は研究間で一致した結果が得られず不明確
対象となった研究が12件と少なく、エビデンスの質のばらつきがある。因果関係は不明。「ディスレギュレーション・プロファイル」の評価方法が研究間で異なる。前向き縦断研究が限られており、知見の一般化には慎重を要する。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Clinical Child and Family Psychology Review
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1007/s10567-026-00557-7
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related幼児期の社会的・感情的スキルの向上:社会情動的学習(SEL)の効果に関する介入研究
日本の幼稚園・認定こども園に通う4〜5歳児を対象に、「Fun FRIENDS」という社会情動的学習プログラム(週1回・全10回)の効果を検証しました。介入群では、攻撃や反抗などの「外在化行動」と、不安や落ち込みなどの「内在化行動」の両方が介入前後で有意に改善しました。対照群には変化が見られなかったことから、プログラムの効果が示唆されます。ただし、長期的な効果の検証はまだこれからです。
子どもの感情反応性と感情調節が睡眠の質を予測する:縦断研究
スウェーデンの典型的発達をする子ども116名を3歳・6歳・9歳の時点で追跡し、感情反応性と感情調節力が9歳時の睡眠の質を予測するかを調べました。感情調節力(特に9歳時)は睡眠の質と一貫して関連しており、感情を上手に整えられる子どもほど睡眠の質が良い傾向がありました。感情反応性は9歳時の値のみ睡眠と関連しており、幼少期の反応性は睡眠との直接的な関連が弱い傾向でした。
妊娠中の金属曝露と子どもの行動・感情の発達:プエルトリコの出生コホート研究
プエルトリコの出生コホート(PROTECT)で301組の母子を対象に、妊娠中の尿中14種類の金属濃度と1.5〜5歳時の子どもの行動問題との関連を調べました。ヒ素(As)・コバルト(Co)・スズ(Sn)への曝露が多いほど、子どもの内向き問題・全体的な行動問題スコアが高い傾向が示されました。男児はヒ素の影響を特に受けやすい可能性があります。