自己決定理論に基づくオンライン介入による子どもの家庭での運動促進:ランダム化比較試験
An SDT-informed online intervention supporting children's home-based exercise: A randomized controlled trial.
どんな研究?
01 — Summary香港の小学生119組(子どもと保護者)を対象に、自己決定理論(SDT)に基づく8週間のオンライン運動促進プログラムの効果を調べたRCTです。運動動画や保護者向けのコーチングキューを提供したグループは、介入後に中〜高強度の身体活動量(MVPA)が増加しました。ただし、フォローアップ時には効果が薄れる傾向がありました。親の関与と自律性を支援する環境づくりが、子どもの運動継続に役立つ可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01SDTに基づくオンライン介入は、小学生の身体活動量(MVPA)を短期的に増加させた
- 02コーチングキューを加えた群では内発的モチベーションがより維持されやすかった
- 03効果は8週間後に薄れる傾向があり、長期的な維持には継続的な仕組みが必要
ランダム化比較試験であるがサンプル数が少なく(119組)、香港のみを対象とした研究のため他地域への一般化は不確か。8週間の短期介入であり長期効果は不明。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験(RCT)
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Journal of exercise science and fitness
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.jesf.2026.200478
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related座りがちな生活・運動不足が子どもの認知機能に与える影響:批判的システマティックレビュー
6〜12歳の子どもを対象に、運動不足・座りがちな生活が認知機能(注意・記憶・学習成績など)に与える影響を調べた観察研究をまとめたシステマティックレビューです。5,000件超の文献から国際的な身体活動基準を満たした研究は2件のみで、結果も一致せず、現時点では確かな結論を導くことは難しいとされました。身体活動と認知の関連には関心が高まっていますが、エビデンスの質はまだ不十分です。
5〜10歳児の身体活動・体力・運動能力の関係:システマティックレビュー
2020〜2025年に発表された13件の観察研究(5〜10歳の子ども対象)をもとに、身体活動・体力・運動能力の3つの関係を整理しました。運動能力が高い子どもは身体活動量が多く体力も高い傾向があり、特に客観的指標で測定した研究でこの関連が明確でした。ただし研究の質や方法にばらつきがあり、エビデンスの確実性は「低〜中程度」と評価されています。
ひとり親(母子)家庭の子どもにおいて、身体活動がレジリエンスを高める可能性:A-CHILD研究
東京・足立区の小学生3,076人を対象にした縦断研究(A-CHILD研究)で、ひとり親(母子)家庭の子どもの身体活動量とレジリエンス(逆境に対処する力)の関係を調べました。ひとり親家庭の子どもは身体活動量が少なく、6年生時点でのレジリエンス得点も低い傾向がありました。特に男児では、身体活動量の低さがレジリエンスの低さを約84%媒介していました。運動の機会を増やすことが、不利な環境下の子どものレジリエンス向上に役立つ可能性があります。