幼少期の社会情緒・認知発達と思春期のNEET(無業・無学・無訓練):英国ミレニアム・コホート研究
Childhood socio-emotional and cognitive development and adolescents NEET (not in education, employment or training): findings from the UK Millennium Cohort Study.
どんな研究?
01 — Summary英国の8368人の子どもを3〜14歳まで追跡し、認知と社会情緒の発達軌跡が17歳時点のNEET(就学も就業もしていない状態)と関係するかを調べた大規模コホート研究です。幼少期から持続する認知・社会情緒の発達の問題がある子はNEETになるリスクが約3.5倍高い傾向が見られました。社会情緒的な問題が後半期(遅く)出現した場合も約3倍のリスク上昇と関連していました。NEETケースの約28%は幼少期の発達上の問題に起因する可能性が推計されています。
要点
02 — Key points- 01幼少期から持続する認知・社会情緒の発達問題は17歳時点のNEEF(学業・就業なし)リスクを約3.5倍高める傾向があった
- 02幼少期の発達問題でも早期に解消したケースはNEETリスクと関連しなかった
- 03NEETケースの約28%が幼少期の認知・社会情緒の発達問題に関連すると推計された
観察研究であり、幼少期の発達と思春期のNEETの因果関係は証明されない。発達の測定は標準化された尺度に基づくが、測定誤差の可能性がある。英国の特定コホートの結果であり、日本の文化・社会環境への一般化には限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- BMJ open
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/bmjopen-2025-109720
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の処方オピオイド鎮痛薬への暴露と小学3年生の学業成績:人口ベースコホート研究
オーストラリアで85,478人の子どもを対象に、妊娠中に母親がオピオイド(コデインなど)を服用した場合、子どもの小学3年生時点での読解・算数の成績に影響するか調べました。コデインやオキシコドンは成績への影響がほとんど見られませんでしたが、トラマドールの服用では成績がわずかに低い傾向が見られました。ただし未測定の交絡因子の影響が残る可能性があります。
周産期の父親のメンタルヘルスと乳幼児期の発達:アウトカム横断分析
フランスのSEPAGESコホートを使い、妊娠中・産後0〜24か月の父親のうつ・不安と、子どもの2〜3歳時点での社会情緒・行動・認知のアウトカムとの関連を調べました。全体的には、父親のうつや不安と子どもの発達アウトカムに有意な関連は見られませんでした。ただしサンプルサイズが小さく、特定のサブグループや文脈での影響については今後の研究が必要です。
コロナ前・禍中・禍後における子どもの言語・社会情緒発達:オランダYOUthコホートより
生後5か月〜4歳の子ども2,166人を対象に、コロナ前(2015〜2020年)・禍中(2020〜2022年)・禍後(2022〜2023年)に分けて言語・社会情緒発達を比べた大規模コホート研究(オランダ)です。禍中の子どもは語彙や社会情緒の発達スコアが低い傾向がみられましたが、禍後には一部の指標で回復がみられました。コロナ禍の社会的制限が幼児期の発達に影響を及ぼした可能性を示しています。