スウェーデンの就学前児童における回避・制限性食物摂取障害(ARFID)のスクリーニング研究
Avoidant restrictive food intake disorder (ARFID) in Swedish preschool children: a screening study
どんな研究?
01 — Summaryスウェーデンで2.5歳および4歳の健診を受けた645人の幼児の保護者を対象に、食べることへの強い回避や制限を特徴とする「ARFID」(回避・制限性食物摂取症)の有病率を調べました。スクリーニングとその後の診断インタビューから、幼児の約5.9%がARFIDと診断される可能性があると推定されました。ARFIDのある子どもは体重への影響より日常生活の支障(食事の場での困難など)が目立ち、神経発達の問題との関連も認められました。
要点
02 — Key points- 01ARFIDの推定有病率は5.9%と、幼児期に珍しくない状態であることが示された
- 02ARFIDの子どもは感覚的な回避や食への低い関心が主な特徴で、体重・栄養の問題より生活への支障が多かった
- 03ARFIDのある子どもの約39%に言語発達の遅れがみられ、神経発達との関連が示唆された
プレプリント(未査読)であり結果は暫定的。スウェーデン単国のデータで他国への一般化には注意が必要。スクリーニング陽性群のみを詳しく調べるデザインのため有病率がやや過大推定の可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的スクリーニング研究(プレプリント)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- medRxiv
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1101/2024.09.26.24314270
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related早期神経発達の問題と回避・制限性食物摂取症(ARFID)リスクの関連:日本の出生コホート研究
高知県で生まれた子ども3728人を追跡し、生後0.5〜3歳の神経発達の問題と4〜7歳での回避・制限性食物摂取症(ARFID)リスクとの関係を調べました。早期の神経発達に問題がある子どもは、そうでない子どもに比べてARFIDと診断される可能性が有意に高いことが示されました。ARFIDは単なる偏食とは異なる臨床的な食の障害です。
好き嫌い(偏食)の子どもの成長と体つき(長期的に見た研究)
好き嫌い(偏食、ピッキーイーティング)のある子どもの成長と体つきが、その後どうなるかを長期的に追って調べた研究です。偏食のある子どもの成長の経過は、全体としては心配のいらないものでした。ただし、一部の子はやせ気味になることがあり、早めに気づいて見守ることが大切だと示されました。
幼児の新しい食べ物に対する情報探索・評価における確証バイアス
幼児が新しい食べ物に対してどのように情報を探し、評価するかを調べた研究です。食べてみたいと思う食べ物に対しては好意的な情報を多く求め、そうでない食べ物には否定的な情報を多く集める「確証バイアス」が2段階で見られました。また、普段から食べ物を嫌がる子どもほど、好ましくない食べ物の肯定情報を信じにくい傾向がありました。これらの知見は、子どもの偏食を理解し、健康的な食習慣を促すための働きかけを考えるうえで参考になります。