南アフリカ農村部の学童における完全母乳育児と認知・実行機能・行動障害との関連:コホート解析
Exclusive breastfeeding and cognition, executive function, and behavioural disorders in primary school-aged children in rural South Africa: a cohort analysis
どんな研究?
01 — Summary南アフリカ農村部の子ども(7〜11歳)を対象に、完全母乳育児(EBF)と認知・実行機能・行動の関連を調べたコホート研究です。HIV陰性の母親から生まれた906人の子どもを評価しました。母乳育児の長期的な認知への影響は、この研究では必ずしも明確ではなく、HIVへの曝露など他の要因との関係も含め検討されています。
要点
02 — Key points- 01HIV陰性の母親から生まれた子ども906人(HIV曝露332人、非曝露574人)を対象に認知・実行機能・行動を評価した
- 02完全母乳育児と学童期の認知発達との関連は必ずしも明確ではなく、HIV曝露などの要因との関係も検討された
- 03南アフリカ農村部の低中所得国の文脈での知見であり、他の地域への直接的な適用には注意が必要
観察研究であり、関連であって因果関係ではない。抄録に結果の詳細が示されておらず、HIVへの曝露という特殊な文脈(南アフリカ農村部)での知見であるため、他集団への一般化には慎重さが必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Human Science Research Council SA
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.14749/32384550
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と4歳までの認知発達:日本の大規模出生コホート研究
日本の大規模コホートから約2,700人の子どもを対象に、授乳方法と2歳・4歳時の認知発達(発達指数)を調べました。生後6か月間、完全母乳で育てた場合と比べ、ほぼ人工乳で育てた女の子は2歳・4歳ともに言語・社会性の発達指数が有意に低い傾向がみられました。一方、混合栄養ではそうした差はみられませんでした。
母乳育児の期間と認知発達の関連:幼少期から青年期中頃まで
オーストラリアの大規模縦断コホート(約8600〜8600人)で、母乳育児の期間が長いほど5〜9歳の語彙力や7〜11歳の非言語知能が高い傾向があることが示されました。一方で、15歳時点の実行機能(注意・計画能力)との有意な関連は見られませんでした。母乳期間と認知発達の間には量反応関係の傾向があるものの、観察研究のため因果関係とはいえません。
早産児の母乳育児と神経発達のアウトカム:システマティックレビューとメタアナリシス
早産で生まれた赤ちゃんを対象に、母乳育児がその後の神経発達とどう関わるかを調べた研究をまとめたものです。16件(うちランダム化比較試験は1件、残りはコホート研究)を解析した結果、母乳をあげた群は、まったくあげなかった群に比べて、長期的な認知の得点が高い傾向や、発達の遅れのリスクが低い傾向がみられました。一方で、運動の発達への影響ははっきりせず、また母乳と母乳ドナーミルクのどちらが優れているかも明確ではありませんでした。