観察研究

学校の始業時刻と、思春期初めの子の睡眠の人種による違い

School start times and racial disparities in early adolescent sleep.

どんな研究?

01 — Summary

米国の思春期初め(平均11歳ごろ)の子ども約3,500人を対象に、学校の始業時刻と、腕時計型の機器で測った睡眠との関連を調べた研究です。全体としては始業が遅い学校の子ほど、就寝・起床が遅く、睡眠時間も長い傾向がみられました。ただしこの傾向がはっきり出たのは白人の子で、ほかの人種・民族の子では関連がはっきりしませんでした。始業時刻の影響は集団によって違う可能性が示されています。

要点

02 — Key points
  • 01始業が遅い学校の子ほど、就寝・起床が遅く睡眠時間が長い傾向。
  • 02この傾向がはっきり出たのは白人の子で、他の集団では不明確。
  • 03機器(アクチグラフ)で睡眠を測った約3,500人の研究。
  • 04始業時刻の効果は集団によって異なる可能性。
読むときの注意 / Limitations

ある時点で始業時刻と睡眠を比べた観察研究のため、関連があっても因果関係(始業が遅いから睡眠が延びた)を示すものではありません。家庭環境など測りきれない要因の影響も考えられます。米国のデータで、日本の事情とは異なります。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
観察研究ある時点の関連を調べる研究。関連=原因とは限らない。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
横断研究(観察研究)
エビデンス強度
観察研究
掲載誌
Sleep health
発表年
2026
DOI
10.1016/j.sleh.2025.07.003
出典
Europe PMC

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2025 · システマティックレビュー・メタアナリシス(コホート研究21件)メタアナリシス

スクリーンタイムと睡眠の関係:システマティックレビューとメタアナリシス

スクリーン(テレビ・スマホ・タブレットなど)を見る時間と子ども・若者の睡眠の関係を、21件のコホート研究(合計約55万人)をまとめて調べた研究です。1日の画面時間が1時間増えるごとに、総睡眠時間がおよそ3〜5分短くなり、就寝時刻が約13分遅くなる傾向が見られました。寝つきの悪さや不眠の症状とも関連し、特に思春期の子で影響が出やすいと報告しています。

2025 · 横断研究(観察研究)観察研究

就寝時刻は大事? 寝る時刻と睡眠時間・体重の関連を米中西部のラテン系の子で調べた研究

米国中西部に住むラテン系の子ども119人(平均約11.5歳)を対象に、寝る時刻・睡眠時間と体重の関連を調べた研究です。夜9時半より前に寝る子は睡眠時間が長く、寝る時刻が遅いほど太り気味の割合が高い傾向がみられました。とくに「遅く寝て遅く起きる」生活の子は、「早く寝て早く起きる」子より太り気味の割合が高めでした。起きる時刻と体重には、はっきりした関連はみられませんでした。

2026 · ナラティブ・レビュー(論考)総説・その他

学校の始業時刻について(米アラバマ州の論考)

思春期になると体内時計が後ろにずれ、自然と寝つく時刻が遅くなります。始業時刻が早いと睡眠が短く・浅くなりやすいことが知られており、この論考はそれが心身の健康や成績にどう関わるかをこれまでの研究をもとに整理しています。始業を遅らせた地域では、睡眠が延び、心身の健康・成績・通学時の事故の減少と関連したと紹介しています。米国の一地域の事情を踏まえた解説で、新しいデータを集めた研究ではありません。