母乳育児を予定した日本の正期産児における臍帯クランプのタイミングと乳児期早期の貧血予防:ランダム化比較試験(プレプリント)
Effects of Timing of Umbilical Cord Clamping on Preventing Early Infancy Anemia in Japanese Term Infants With Planned Breastfeeding: A Randomized Controlled Trial
どんな研究?
01 — Summary日本の正期産児138人を対象に、臍帯クランプを遅らせる(分娩後1分以上)と早めに行う(15秒以内)場合を比較したランダム化比較試験です。4か月時点のヘモグロビン値には統計的な差はみられませんでしたが、生後3〜5日目のヘマトクリット値は遅延クランプ群で有意に高い傾向がありました。黄疸の指標は両群で変わりませんでした。
要点
02 — Key points- 014か月時点のヘモグロビン値に両群間で有意差はなかった(遅延57.0% vs 早期52.6% ヘマトクリット差4.4%は有意)
- 02黄疸関連の指標は遅延クランプ・早期クランプで差がみられなかった
- 03より大きなサンプルサイズでの検証が必要
プレプリント論文であり査読を経ていない。サンプル数が138人と比較的少なく、検出力が十分でない可能性がある。オープンラベル試験のため盲検化されていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Research Square
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.21203/rs.3.rs-96009/v1
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related臍帯クランプの時期が日本の正期産児の乳児期早期貧血予防に与える効果:ランダム化比較試験
日本の低リスク正期産児を対象にしたランダム化比較試験で、臍帯を遅く(生後2分以上)切ると、早く(30秒以内)切る場合と比べて、生後3〜4か月時点の乳児の貧血発生率が低い傾向が示されました。母乳育児を予定していた乳児で遅延臍帯クランプの貧血予防効果が示された研究です。
出生直後・早期の肌と肌のふれあい(スキン・トゥ・スキン)は母子によい
69件のランダム化比較試験(7,290組)をまとめたコクランレビューによると、出生直後に赤ちゃんをお母さんの胸の上に直接置く「スキン・トゥ・スキン(SSC)」は、通常の新生児ケアと比べて完全母乳育児率を高め(出産後1か月まで:RR 1.36)、赤ちゃんの体温・血糖値も改善させる傾向が示されました。母子双方にとって出産直後のSSCは推奨に値するとしています。
正期産・早産の新生児におけるおしゃぶりの使用と母乳育児 — システマティックレビューとメタアナリシス
おしゃぶりの使用が母乳育児の続けやすさと関係するかを、ランダム化比較試験だけを集めて分析した研究です。正期産の赤ちゃんでは、生後2〜6か月の時点で、おしゃぶりを自由に使うグループと制限したグループとで母乳育児の割合に大きな差は見られませんでした。早産の赤ちゃんでは、おしゃぶり(栄養を伴わない吸う動き)を使うと入院期間が短くなる傾向も報告されています。著者は、観察研究では「おしゃぶりを使う子は母乳をやめるのが早い」と見えても、比較試験ではそうした差は出ていないと整理しています。