実行機能(記憶力・集中力の制御)は、子どもの言語・学びの発達と関係する?
ワーキングメモリなどの実行機能が高い幼児ほど、言語・リテラシー・数の能力が高い傾向があります。また、実行機能は家庭の経済状況と学力の格差を媒介している可能性が示されており、実行機能を育てる働きかけが学力格差の縮小につながる可能性が示唆されています。ただし横断研究1件であり因果関係は示せません。
横断研究1件(中国・香港の幼児688人)のみ。観察研究のため因果関係は不明。中国語圏の研究であり日本への直接的な一般化には注意が必要。確実性は「低い」とした。
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子どもの肥満(または肥満になりやすい遺伝的素因)は、考える力や記憶力と関係する?
肥満の遺伝的リスクスコアが高い子どもでワーキングメモリが低い傾向があるという横断研究があります。ただし抄録情報が限定的で詳細は不明な部分が多く、単一の小規模観察研究にとどまります。遺伝的素因と認知機能の関連を示す予備的な証拠であり、確実な結論は出ていません。
手を使う体験活動(料理など)は、幼児の微細運動(手先の巧みさ)の発達によい?
5〜6歳の幼児40人を対象に、料理教室型の活動が微細運動発達に与える効果を調べた準実験研究で、通常授業と比べてスコアの向上が大きいことが示されました。ただし40人の小規模研究で無作為割り付けではなく、効果の持続性や一般化には限界があります。
昼寝は、子どもの学びや発達によい?いつまで必要?
子どもの昼寝が学習や発達によいのか、いつまで必要なのかを調べた研究を集めました。昼寝は学んだことを記憶に定着させて学習を助けるという考え方があり、保育施設の幼児を比べた研究では昼寝をする子の方がワーキングメモリー(短い間、情報を覚えて使う力)の成績がよいという報告があります。一方で、2〜3歳児で昼寝をしても記憶や計画の力は高まらなかったとする研究や、乳児期に昼間の睡眠が特に長い子はのちの記憶力がやや低い傾向だったとする研究もあり、結果は割れています。多くは観察研究で因果は示せず、人数も少なめのため確実性は低いと考えられます。「昼寝の卒業」は発達の自然な一部で、必要な時期には個人差があります。
多言語(バイリンガル)環境は、子どもの言葉や考える力に影響する?
まだ研究が少なく、はっきりした結論は出ていません。今後の研究で変わる可能性があります。詳しくは各研究をご覧ください。
保育・幼児教育(プレスクール)は、子どもの発達によい?
プレスクールなどの質の高い幼児教育や、発達の遅れがある子どもへの早めの支援は、ことば・認知・遊びの発達によい影響をもたらすと報告されています。とくに経済的に厳しい家庭の子どもで効果がはっきりしやすい一方、効果はプログラムの質や内容によって差があり、年齢が上がると一部の効果が小さくなることも知られています。